官公庁への飛び込みセールスのコツ、押し売りでない営業の正しい方法

国立競技場 営業担当
国立競技場

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

営業担当者向けのセールスのコツとノウハウです。官公庁と取引したい営業担当者に知ってもらいたいことです。契約実務を長い間経験していると、信頼できる営業担当者に共通した部分があります。笑顔や丁寧な対応方法などを具体例で解説します。

飛び込みセールス

最近は少なくなってきましたが、それでも年に4~5回の頻度で、新人の営業担当者が、飛び込みでセールスに訪れます。

 

会社の上司から命令されたのか、あるいは、自分で取引先を開拓しようと積極的に営業しているのだと思いますが、なかなか思うように契約は取れないのではないでしょうか。

 

契約実務を30年経験した立場から見ると、綺麗でかわいい人が飛び込みでセールスに来たときは、忙しい時でも、わざわざ時間を作って対応してしまうこともありますが、むさくるしい男の営業担当者の場合は、飛び込み営業を門前払いすることが多いです。

 

営業で回っている人を見ていると、(手法を変えれば契約を獲得できるのに惜しいな)と思うことが多々あるので、官公庁への営業の必須条件など、営業担当者向けのノウハウとコツを解説します。

 

最初に心構えとして、官公庁独特の風土を理解することが大切です。

 

3つの心構えです。

 

その1 飛び込みセールスは禁止

 

飛び込みセールスは、現在、押し売りと看做されますので逆効果です。最悪の場合、ブラックリスト(危険な会社)に登録されてしまいます。

 

官公庁の契約手続きは、入札が原則です。

 

入札で重要なことは、公平性と公正性です。特定の会社に有利な取扱いはできません。

 

特定の会社との癒着を疑われてしまうと、組織として(契約実務担当者として)信用を失墜してしまうからです。

 

最近では新聞に掲載されるような事件は発生していませんが、20年ほど前は、暴力団などが資金源として、官公庁へ高額な書籍を押し売りしていました。書籍の内容は、官公庁が契約を断れない内容でした。政治や思想、人種差別的内容などで、公的機関が批判できない内容を巧みに使っていました。

 

押し売りの手口は、書籍と請求書を一方的に送りつけ、返送したり電話で断ろうとすると、書籍の内容を批判したと言いがかりをつける手法でした。10万円くらいの書籍なので、繰り返し言いがかりをつけられると、つい購入してしまう官公庁が続出していました。

 

これらが明るみに出たのは、暴力団の組員が、暴力事件と拳銃不法所持で逮捕され、警察の取調べで余罪が追及されて芋づる式に書籍の押し売りが明らかになりました。社会問題としてマスコミでも報道されました。

 

当時、法務省から全国の官公庁に対して、押し売りは対応しないよう指導・通知がなされています。

 

また、平成22年1月にも、法務省人権擁護局から「えせ同和行為対応の手引」が配布されています。

 

その2 飛び込みするなら、カタログと参考見積書を置くだけ

 

会社の上司から、取引先を開拓しろと命令されたときは、それでも、飛び込みでセールスをせざるを得ない状況になると思います。本来なら、事前にアポ(面会予約)を取ってから、セールスするのがマナーですが、どうしても飛び込みセールスしなければならない時の手順とコツを解説します。

 

笑顔で受付の人に話しかけます。

 

訪問目的(○○の営業で回っていること)を明確に伝えます。

 

次に、契約の担当部署(係名や担当者)を教えてもらいます。

 

(お忙しいところ申し訳ありませんという)低姿勢で

 

(お時間は取らせませんので)カタログだけでも置かせてもらえませんでしょうか?

 

と契約担当部署の人に尋ね、カタログと参考見積書、名刺を置いて帰ります。

 

カタログもいらないと言われたら、即、お礼を言ってから帰りましょう。断られた担当部署へは、二度と飛び込みは止めましょう。

 

もし、訪問したとき、契約担当者から話を聞きたいと言われれば大チャンスです。しかし、ほとんどの人は忙しいので、時間をとれることは、ほぼないと考えましょう。

 

官公庁の契約実務担当者は、日常の契約手続きで多忙です。興味のない営業担当者の話を聞いているほど暇ではありません。

 

参考見積書をカタログと一緒に置くのは理由があります。

 

官公庁の契約実務担当者は、販売会社の値引率に関心があります。カタログに定価だけ記載されていても、それほど関心はありません。

 

値引率が良い会社は、後日、連絡が入る可能性があります。

 

参考見積書に記載する内容

 

主な営業品目、平均的な値引率、最大値引率

 

可能なら見積もり例として、10品目程度の見積額を記載しておくと効果があります。

 

発注から納品までの納入期間

 

代金の支払方法(通常、請求書を提出後、銀行振込み後払いです。)

 

その3 低姿勢でのセールスに徹する

 

営業の基本だと思いますが、特に、官公庁関係の人たちはプライドが高いです。言葉遣いは丁寧にします。大きな声や質問責めや批判めいた話し方はしないことです。

 

例えば、「今忙しいので」と断られた場合に、次の会話は禁句です。

 

「話も聞いてもらえないのでしょうか?」

 

「少しの時間も頂けないのでしょうか?」

 

「(営業品目を購入する)ご計画はないのでしょうか?」

 

官公庁の担当者を強制するような発言や、強引に情報を聞き出そうとする言葉は絶対に使わないことです。営業のチャンスが永遠に消滅します。

 

相手の言葉を、謙虚に丁寧に聞き、忙しそうであれば、遠慮する姿勢が大切です。大きな声で話しかけることもタブーです。

 

信頼できる営業担当者

 

自分の会社の売り上げだけを考えているような会社は、危ない会社です。常に官公庁側の立場を理解した言動が信頼を得ます。

 

電話したときに留守でも、すぐに電話がかかってくる。10分以内に電話してくる営業担当者は信頼できます。

 

必要な資料や情報をすぐに提出する。翌日あるいは2日後には提出できるようであれば信頼できます。

 

会話は必要最小限にする。

 

不得意な分野の仕事は、依頼を断るのではなく、積極的に他社を紹介する。いわゆる業界のアンテナが強い人は信頼できます。困ったときに情報を持っている人です。

 

見積もり合わせに積極的に参加する。

 

笑顔が多い人は信頼できます。むずかしい顔をしていると不安になります。官公庁側の契約実務担当者は、真面目な人よりも、信頼できる人と契約したいのです。

コメント