官公庁に嫌われない「営業」! 3つの心構えで契約を勝ち取る

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営業担当
国立競技場

官公庁向け営業担当者へのアドバイスです。官公庁で契約実務を長い間経験していると、「信頼できる営業担当者」には共通点があることがわかってきます。官公庁の契約担当者が、思わず発注したくなる「効果的な営業方法」の解説です。

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官公庁への「飛び込み営業」

最近(2013年)は少なくなってきましたが、それでも年に4~5回の頻度で「飛び込み営業」があります。会社の上司から命令されたのか、あるいは自分で取引先を開拓しようと思い訪れることが多いようです。しかし狙いどおりに契約は取れないと思います。

 

官公庁で契約実務を30年以上経験した立場からすると、綺麗でかわいい女性が飛び込みで営業で来たときは、忙しくても時間を作って対応することもあります。しかし、むさくるしい太った男性の営業担当者の場合は、門前払いすることが多いです。

 

私が男性だからという理由だけではありません。同僚の女性たちと話していても同じ感覚です。むしろ女性の方が嫌いな感覚が強いです。やはり第一印象で大きく変わってしまうのです。

 

いろいろな営業担当者を見ていると、(営業手法を変えれば契約を獲得できるのに惜しいな)と思うことが多々あります。

 

そこで官公庁の契約実務経験者の立場から、効果的な営業のポイントについて解説します。

 

最初に「心構え」として、官公庁独特の考え方(風土)を理解しておきましょう。

 

3つの心構えです。

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心構え1 飛び込み営業は「逆効果」

多くの場合、飛び込み営業は「押し売り」と看做されるので逆効果です。最悪、ブラックリスト(危険な会社)に登録されてしまいます。官公庁の契約制度の中にブラックリストが存在するわけではありません。当然、実務担当者同士で口頭で「危ない会社」として引き継がれてしまうものです。

 

飛び込み営業がマイナスに作用する理由は、官公庁の契約制度に関係しています。官公庁の契約手続きは「競争入札」が原則です。

 

「競争入札」で重要なことは公平性と公正性です。特定の企業に有利な取扱いはできません。特定の企業との癒着を疑われてしまうと、組織として(契約実務担当者として)信用を失墜してしまうからです。一般的に「業者との癒着」は不正の温床と看做されます。

 

最近(2013年)は大きな事件が発生していませんが、20年ほど前「押し売り事件」が社会問題になりました。暴力団の資金源に税金が流れていました。暴力団が官公庁へ高額な書籍を「押し売り」していたのです。書籍の内容は、官公庁が契約を断れない内容でした。人種差別的な内容で、公的組織が批判できない内容を巧みに利用していました。

 

「押し売り」の手口は、「差別問題」を内容とする高額な書籍(一冊10万円以上)を売りつけるものでした。断ろうとすると、怖い人が「公的組織として人種差別を容認するのか?」と恫喝し怒鳴りこんで来るのです。(電話で「今から日本刀を持って行くからな!」と脅されることもありました。)

 

毎年、高額な書籍と請求書を一方的に送りつけ、返送したり電話で断ろうとすると、「書籍の内容を批判した(差別思想を持つ官公庁だ)」と言いがかりをつける手法です。10万円くらいの書籍なので、繰り返し脅されると、つい購入してしまう官公庁が続出していました。

 

これらが明るみに出たのは、暴力団の若い組員が拳銃不法所持で逮捕されたことによるものです。警察の取調べで余罪が追及され、芋づる式に「高額書籍の押し売り」が明らかになりました。官公庁が購入してしまうと、結果的に税金が暴力団へ流れてしまいます。社会問題としてマスコミでも大きく報道されました。当時、法務省から全国の官公庁に対して、「押し売りは対応しないよう」指導・通知がなされています。

 

また、2010(平成22)年1月にも、法務省人権擁護局から「えせ同和行為対応の手引」が配布されています。

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心構え2、飛び込みするなら、書類や名刺を置くだけ

会社の上司から、「官公庁の取引先を開拓しろ」と命令されたときは、飛び込み営業せざるを得ない状況になると思います。本来なら、事前にアポ(面会予約)を取ってから営業するのがマナーです。しかし、どうしても飛び込み営業しなければならないときの方法を解説します。

 

笑顔で受付の人(または担当者)へ話しかけます。

 

訪問目的(〇〇の営業で回っていること)を明確に伝えます。

 

次に、契約の担当部署(係名や担当者)を教えてもらいます。

 

(お忙しいところ申し訳ありませんという)低姿勢で、(お時間は取らせませんので)カタログだけでも置かせてもらえませんでしょうか?

 

と契約担当部署へ伝え、カタログと参考見積書、名刺を置いて帰ります。

 

カタログもいらないと言われたら、即、お礼を言って帰りましょう。断られた担当部署へは、二度と飛び込み営業はしない方が良いです。(民間企業同士なら熱意を買ってくれることもあるかもしれません。しかし官公庁では単なるクレーマーと見做されます。)

 

もし訪問したとき、契約担当者から「話を聞きたい」と言われれば大チャンスです。しかし、ほとんどの人は忙しいので、時間は取れないと考えましょう。官公庁の契約実務担当者は、日常の契約手続きで多忙です。興味のない営業担当者の話を聞いているほど暇ではありません。(高確率でアポイントを取る別の方法もあります。)

 

参考見積書をカタログと一緒に置くのは理由があります。官公庁の契約実務担当者は、販売会社の値引率に関心があります。定価だけ記載されていても、まったく関心はありません。値引率が良い会社なら、後日連絡が入る可能性があります。

「参考見積書」に記載する主な内容

主な営業品目、平均的な値引率、最大値引率

メーカー○○社製  値引率○○%

 

可能なら見積もり例として、10品目程度の見積額を記載しておくと効果的です。

 

発注から納品までの納入期間(例:納期2週間以内)

 

代金の決済方法(例:代金は銀行振込で後払い。)

カタログや参考見積書がないときは、会社のパンフレットと名刺を置かせてもらうことになります。

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心構え3、低姿勢での営業

「腰を低くする」ことは営業の基本です。特に官公庁関係の人たちはプライドが高いです。言葉遣いは、ゆっくりと丁寧にします。大きな声、質問責めや批判めいた話し方はしないことです。

 

例えば、「今忙しいので」と断られた場合に、次の会話は禁句です。

 

「話も聞いてもらえないのでしょうか?」

 

「少しの時間も頂けないのでしょうか?」

 

「(営業品目を購入する)ご計画は、本当にないのでしょうか?」

 

官公庁の契約実務担当者に対して、自社との契約を強制するような発言や、強引に情報を聞き出そうとする言葉は、絶対に使わないことです。営業のチャンスが永遠に消滅します。押し売り業者、危険な会社と看做されてしまいます。

 

相手の言葉を謙虚に丁寧に聞き、「忙しそうであれば遠慮する姿勢」が最も重要です。大きな声で話しかけることもタブーです。

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信頼できる営業担当者

自分の会社の売り上げのみを考えているような会社は、危ない会社と認識されてしまいます。常に官公庁側の立場を理解した言動のみが信頼を得ます。

 

官公庁側の契約担当者が電話したときに留守だったとしても、すぐに折り返し電話がかかってくる。10分以内に電話してくる営業担当者は信頼できます。

 

必要な資料や情報をすぐに提出する。翌日あるいは2日後には書類を提出できるようであれば信頼できます。翌日無理であれば、進捗状況について電話一本入れる丁寧さが欲しいところです。

 

職場内での会話は必要最少限にする。忙しいときに、興味のない話をする営業担当は信頼できません。常に相手が欲しいと思う情報を伝えます。

 

不得意な分野の仕事は、依頼を断るのではなく、積極的に他社を紹介する。いわゆる「業界のアンテナが強い人」は信頼できます。困ったときに情報を持っている人です。

 

「見積もり合わせ」に積極的に参加する。

 

笑顔が多い人は信頼できます。むずかしい顔をしていると不安になります。官公庁側の契約実務担当者は、真面目な人よりも、信頼できる人と契約したいのです。特に少額な随意契約を締結するときは、信頼できる担当者のいる会社を選ぶことが多いです。

個別に有料相談も受け付けています。

「コンサルティング契約」で、官公庁(役所)との契約を獲得する
官公庁(役所)への営業のコツ、契約を獲得する方法など、コンサルティング契約をお受けします。実際に契約実務を担当していた視点から、官公庁との取り引きについてアドバイスします。新人社員の研修にも役立ちます。

コメント

  1. 徳田 より:

    初めてコメントを書き込みます。
    メーカー営業をしており、物品の購入で自治体への出荷があります。直接自治体へ納品することは無いので製品の宣伝をしたいのですが、このような状況で多忙の中出向いても迷惑かと思いますが、電話→カタログ送付という形は特に問題は無いでしょうか?

    • 管理人矢野 雅彦 より:

      管理人です。
      コメントありがとうございました。

      「電話→カタログ送付」は、特に問題ありません。

      官公庁の契約実務担当者が興味を持つのは、「値引率」と「見積もり合わせへの参加」です。商品の宣伝だけでなく、直接あるいは代理店経由で、「値引率」(他社より有利)のわかる資料を同梱できると、さらに良いです。

      また、その資料の中に「見積もり合わせ」へも、積極的に参加したいことをアピールする資料を含めると効果的です。

      官公庁の契約実務担当者は、有利な情報であれば、意外に覚えています。私は、後で使えそうな有用な資料は、常に大切に保管してました。「今は、他の仕事で忙しくて使えないけど、後でお願いしてみよう」と思うものです。

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