官公庁から見積書の提出を依頼されたときの対応方法、営業担当者向け

国立競技場 営業担当
国立競技場

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見積書を依頼されたら

 

民間会社の営業担当者向けの解説です。

 

官公庁などの契約実務担当者から、物品販売に関する見積書の提出を依頼されたときの対応について解説します。

 

いつも取引している相手であれば、見積書の提出について、細かな打合せを行わなくても問題ありませんが、初めての取引相手のときや、営業担当者が交代し、初めて官公庁担当になったとき悩むことがあると思います。

営業担当初心者が、見積書の依頼を受けたときの対応方法を解説します。

 

依頼を受けたときに確認すべきこと

 

電話やメールで、官公庁側から見積書の提出依頼があった場合、必ず確認したい部分です。

 

官公庁の会計実務担当者や契約実務担当者が、見積書を依頼するときは、その使用目的によって「参考見積書」と「見積書」の2つに分類されます。

 

それぞれで作成方法が異なるので、見積書を作成するときは、必要とする目的を事前に把握することが重要です。

 

見積書の目的・用途を確認、契約用か予算用か

 

見積書の提出依頼を受けるときに、官公庁の契約実務担当者が依頼目的を事前に説明するのが普通ですが、時々、何も説明がなく、とりあえず、見積書をすぐに出して欲しいというケースがあります。

 

見積書を必要とする目的は、大きく2つに分類されます。

 

ひとつは、実際の契約締結を前提とした「見積もり合わせ」を目的としたもの、ふたつめは、契約とは全く関係ない、予算を要求するための参考資料です。

 

最初に、見積もり合わせ(みつもりあわせ)あるいは合見積(あいみつ)として提出を求められる場合を説明します。

 

この場合は、値引き額を最大にした見積書を提出します。

 

「見積もり合わせ」は、一番安い価格を提示した会社と契約するので、思い切った金額の見積書を提出します。

 

次に、予算要求用の参考資料として見積書の提出を依頼される場合です。要求金額の積算内訳を作成するときの資料(参考資料)です。一般的には「参考見積書」と呼ばれます。

 

この場合は、契約締結を前提としていない見積書の作成依頼ですので、通常の取引で用いる値引き額で提出します。

 

一般的に、予算要求は、要求した後に査定(減額)を受けます。予算が減額されることを想定して、例えば、過去の査定率が10%減額なら、実際の契約可能金額の10%増しで予算要求しないと、査定後に、予算不足で契約不能となります。ギリギリの見積金額でなく、少し余裕のある、通常の値引額の見積書を提出することになります。

 

見積書の依頼目的が不明なとき

 

依頼元の担当者へ「通常の値引き額で提出した方がよろしいでしょうか?それとも見積もり合わせ用でしょうか?」と口頭(電話)で確認します。

 

国の予算は、事業を実施するために最低限必要な予算を組むことになっていますので、メールなどの記録に残る形で質問してしまうと、「できるだけ安い金額でお願いします。」などの返答しか得ることができません。「高い金額の見積書を提出してください」と文字で回答することは無理なのです。

 

予算担当係からの見積書提出依頼であれば、担当者へ電話などで「予算要求用ですか?」と確認するのが無難です。まれに、予算要求の段階でも、複数者の見積書を依頼し最低価格のものを予算要求することがありますので注意が必要です。念のため「他社様の見積書も取り寄せていますでしょうか?」などと確認するのも問題ありません。

 

見積書の日付を入れるかどうか、入れる場合はいつの日付とするか

 

上述したように見積書の使用目的によって、見積書の日付の記載が必要な場合と、日付を空欄にしたい場合があります。

 

契約を前提とした見積書は、「契約の申込み」という、契約締結を前提としたものなので、見積書に作成日付が記載されていないと無効な書類になります。見積書の日付については、必ず、記載するかどうか確認が必要です。「見積書の日付は提出年月日を記入して提出した方が良いでしょうか、それとも日付を空欄にした方が良いでしょうか。」と口頭で聞きましょう。

 

メールなどの記録に残る問い合わせでは、政策的に話せないこともあるので、電話(口頭)での確認が無難です。

 

日付のない見積書を依頼する理由

 

契約締結を前提とした「見積書」は、作成日付が必ず必要です。発注年月日、契約年月日を確定しなければ契約手続きを行なうことができません。

 

しかし、予算用の「参考見積書」は、日付がない方が効率的な予算要求が可能になります。

 

官公庁の予算は、潤沢な財源を持つ組織は稀です。ほとんどの官公庁は予算が不足し、経費を切り詰めて運営しています。

 

予算を確保する方法は、上級官庁へ要求書を提出して、査定を受けて認められることがほとんどです。

 

そして、予算要求できるタイミング(時期)が不規則なことが多いのです。

 

毎年、同じ時期に要求できる予算であれば、事前に見積書なども用意できます。しかし、急に予算要求が可能となり提出期限が短いときは、見積書を依頼する時間さえ不足することがあります。

 

急な予算要求では、過去に提出してもらった見積書を使用して予算要求することがあるのです。要求書の提出期限が2日後などのときは、見積書を依頼するのは間に合いません。そのため、過去の日付の空欄の見積書を使用せざるを得ません。

 

この場合でも、営業担当者へ電話で、見積金額の変動がないことや日付を入れて過去の見積書を提出したことを伝えて確認します。

 

仮に、見積金額が大きく異なれば、再度、見積書を取り寄せ、すでに提出した予算要求書を修正します。

 

予算要求が可能なときに、提出期限までに書類を提出できれば、上級官庁の査定期間中(通常1ヶ月ほど)に修正可能なのです。

 

しかし、見積書が手元になければ、予算要求自体が遅延し不可能になってしまうのです。提出期限に遅れた要求書は却下されてしまうことが多いのです。

 

このように、官公庁の予算要求の事情から、日付の記載されてない見積書を依頼することがあります。

 

予算の要求金額を積算するための参考資料として「日付のない見積書」を使用することがあるのです。

 

提出部数について

 

通常は、見積書は1部提出するものですが、予算要求などの用途によっては、上述のとおり複数必要な場合があります。特に部数の指定がなければ1部で差し支えありません。不明なときは依頼があった部署へ確認する方が良いです。

見積書の押印について

 

官公庁などの公的組織が必要とする見積書は、通常、会社の住所、会社名、代表者の役職名、代表者の氏名、会社印(四角が多い)と代表者印(丸印が多い)が必要です。

 

代表者は社長が望ましいです。部長や課長名で作成する場合には、別途委任状を併せて提出します。

 

委任状は、社長などの代表者から、部長や課長などへ「見積書の提出に関すること」の権限を委任します。

 

 

委任状の例

       年月日

○○省○○課御中

○○会社 会社印
代表取締役社長  ○○社長印

委任状

私は、営業課長○○○○に下記権限を委任します。

見積書の提出に関すること

見積書の記載例

 

物品の売買契約では、品名、メーカー名、型式、数量、単価、金額を記載します。

 

内訳の記載欄は、定価と値引額、消費税が含まれているかどうか、搬入据付調整費などの費用を全て含めて記載します。

 

また、納入期限についても「納入期間は、受注後3週間以内」などど明記します。

 

○○パソコン  ○○製 ○○型 1台

定価   500,000円
値引  △100,000円
本体価格 400,000円
消費税   20,000円
合計   420,000円

搬入・据付調整費を含みます。

納入期間は受注後2週間以内

 

以上が、見積書の提出依頼を受けた場合の対応方法です。

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