契約を獲得できる「営業担当者の条件」、契約実務担当者の視点から

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営業担当
イギリス ロンドン
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官公庁との「取り引き」を希望する「営業担当者」向けの情報です。民間会社の「営業担当者」が、官公庁と初めて取り引きを行うときに知っておきたい情報です。契約実務担当者から見たときに、「契約を依頼したい」と思う営業担当者の心構えを解説します。

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「随意契約」で継続的に取り引きしたい

 

官公庁と取り引きしたい

官公庁と随意契約したい

 

民間会社の営業担当者にとって、官公庁と新規に取り引きできれば、継続的な売上が期待でき、会社の信頼度も上がるので興味ある情報だと思います。官公庁側の契約実務担当者にとっても、特定の会社との取り引きだけでなく、新たな会社との取り引きが可能になれば、価格競争などが期待できメリットのあることです。

 

そこで官公庁との取り引きのうち、特に契約件数の多い「少額随意契約」を受注するためのコツを、発注者側である契約実務担当者の立場から解説します。

 

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「契約実務担当者」と「顔なじみの業者」

 

官公庁などの公的組織では、「契約担当部署」の名称は様々です。主として、契約係、調達係、会計係、総務係、用度係などがあります。そして契約手続きを実際に行う担当者は、契約金額が低いもの(100万円以下など)であれば、若い係員が実質的に契約の締結権限を持っていることが多いです。(係長以上は、金額の大きい契約や入札を担当することが多いです。)

 

官公庁との取り引きを、昔から継続している会社は、契約実務担当者と「顔なじみ」になっています。契約手続きに必要な書類について、細かく説明しなくても作成方法を心得ています。「顔なじみ」の営業担当者は、正確な書類を迅速に提出します。契約実務担当者から見ると、書類不備などによる余計なトラブルを防止できます。書類処理を迅速に行うことができるので、必然的に同じ会社への発注が多くなります。日付が間違っていたり、印鑑が押されていなかったりすると「不備書類」として、電話やメールで差し替えを依頼しなくてはいけません。書類手続きを一時的にストップしなくてはいけません。システムへの入力をやり直すこともあります。日付ひとつ間違えるだけで、相当な事務負担になってしまうのです。

 

特に、頻繁に発注する金額の小さい文房具類などは、書類ミスの少ない「顔なじみ」の会社への発注が、圧倒的に多いです。

 

官公庁によっては、契約担当係ごとに、取引会社が決まっていることさえあります。新しく参入したい営業担当者から見れば、自分たちが排除され、新たに契約を獲得できないのは「癒着」と同じように感じ、不公平ではないかと感じるかも知れません。しかし、会計法令では、一定金額以下の契約は、事務簡素化を目的として「随意契約」が可能です。まったく問題ありませんし、違法ではありません。

 

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書類ミスが「致命的」になる理由

 

契約手続きで、基本となる必要書類は、見積書、納品書、請求書です。様式は任意ですが、日付や押印などが漏れると、処理手続きを途中でストップさせなければなりません。

 

ミスした書類があると、契約実務担当者は、会社の営業担当者へ再提出の依頼を電話しなければなりません。再度、修正された書類が届くまで待機することになります。書類不備として手続きがストップすると、処理の手間が2倍になります。相当な事務負担になります。

 

通常、官公庁の代金支払処理は、「処理期限」が決まっています。そして契約担当者と支払担当者は、内部けん制のために異なる部署が担当しています。書類提出が遅れると、途中まで進めていた事務処理をリセットせざるを得ないこともあります。特にコンピューターシステムを使う支払システムでは、データを削除して、新規に入力し直すことになります。

 

ひとつの書類不備による「さしかえ」で、かなりの事務負担になると、書類ミスをする会社との取り引きは、避けるようになります。例えば、気の短い支払担当者から、契約実務担当者が怒られることさえあります。「説明が悪いからミスした書類が届く!」と責められるのです。

 

契約実務担当者は、何も説明しなくても「ミスのない書類」を迅速に提出してくれる会社を自然と選ぶことになります。

 

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「少額随意契約」に参加する

 

国の契約では、160万円未満の随意契約(物品購入契約の場合)は、「少額随意契約」と呼ばれ、事務簡素化を目的とした契約手続きが可能です。官公庁の契約手続きの原則である「入札」を実施しなくても、契約実務担当者の判断と権限で、特定の会社と随意契約できます。(少額随意契約が可能な金額は、国と地方公共団体で異なります。例えば、東京都は国と同じ基準ですが、東京都港区は80万円です。地方公共団体は個別に金額を定めています。2019年現在)

 

この「少額随意契約」を理解せずに、自分が参入できないことに不満を持ち、官公庁の契約実務担当者に対して「いつも同じ会社と随意契約するのは違法ではないですか?」などと発言すれば、もう二度と、取り引きはできなくなります。

 

官公庁の契約実務担当者が一番避けたい行動は「公平性や公正性に疑義をもたれるような契約手続き、特に違法性が疑われる行為」です。外部から批判されるような契約手続きを、最も恐れます。契約実務担当者は、「法令違反や不公平・不公正な取引」と指摘されるような状況は、極力避けたいのです。

 

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批判ばかりの「トラブルメーカー」

 

周りの迷惑を考えずに、自分の会社の利益のみを最優先するような「トラブルメーカーの会社」とは、一切取引しません。官公庁の手続きを批判したり、他社を批判して、自社に都合の良いところだけ説明するような「身勝手な会社」は信用しません。むしろ「押し売り」として捉えます。かなり前ですが、反社会的な人たちが、官公庁に対して高価な書籍を「押し売り」し、社会問題にもなりました。「押し売り」的な会社は嫌われます。

 

正義感から注意しようと発する言葉でも、仮にその言葉が正しいとしても、周りから「不正」を疑われるような発言(言動)をする営業担当者は、官公庁側の契約実務担当者から見れば「危ない営業担当者」「危ない会社」でしかありません。

 

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営業担当者の「心構え」

 

契約実務担当者は、対外的な説明が十分に可能な事務手続きを心がけています。説明責任を常に考えています。簡単に言えば、誰もが納得する事務手続き(違法とか不正を疑われない事務処理)を最重視します。

 

官公庁との取り引きを行おうとする営業担当者には、ぜひ覚えておいてもらいたいことを解説します。

 

官公庁向け「営業担当者の心構え」です。

 

  • 批判的な言動は避ける、正義感や正当性などを口にしない。
  • 他社の批判をしない。(批判するような会社は、信頼できないと思われます。)
  • 押し売りは逆効果、将来的に受注できなくなります。
  • 素直さ、誠実さだけを前面に出す。
    (例えば自社で不得意な商品は、ライバル企業であっても詳しく調べ、他社の商品を紹介するくらいの「誠実さ」があれば信頼を獲得できます。)

 

基本的な「心構え」の前置きが長くなってしまいましたが、では具体的にどうすれば随意契約を獲得できるでしょうか。

 

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契約実務担当者に「顔を覚えてもらう」

 

まず第一に、契約実務担当者に「顔を覚えてもらう」ことが大切です。営業の基本です。
効果的な方法は、一般競争入札などで正式に受注し、その契約のアフターサービスを丁寧に行うことです。何か依頼されたときに「迅速に対応」します。すぐに対応することが重要です。最優先で対応し、信頼を勝ち取ることです。これが一番効果がありますが、最初の入札は、十分な利益を見込めないかも知れません。また高額な契約しか入札になりませんから、100万円未満のスポット的な少額随意契約は該当しません。

 

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効果的に「営業回り」を行う

 

次の手段として「営業回り」(外回り営業)を行うことです。ここで注意したいことがあります。官公庁は、「押し売り」的な会社とは契約しません。2001年に「えせ同和行為」による押し売りが社会問題になり、法務省から全省庁に対して通知まで流れましたから無理です。(このときは、危ない組織が、全国の官公庁へ「押し売り」を行なっていました。新聞の一面にも掲載され、社会問題になりました。)

 

「営業回り」するときに、勤務時間中にいきなり押しかけて、名刺を出し「お話を聞いてもらえませんか」と言っても門前払いされるだけです。押し売り行為による契約は禁止されているので当然です。契約実務担当者は笑顔で対応しますが、内心は「相手のことを考えない危ない会社」と警戒され、随意契約は獲得できないでしょう。

 

飛び込み的な営業を行うには、次の手順が必要です。

 

電話で挨拶

まず、電話で挨拶します。セールスの時間をとってもらえそうなら面会時間を予約し、忙しそうであれば、「名刺とカタログだけ置かせてもらえないか」依頼します。この時に「合見積(あいみつ)だけでも良いのでお願いします。」と丁寧に挨拶します。

 

契約実務担当者は、金額が少額であれば、自分で契約先の会社を選ぶ権限を持っています。しかし、意外と「合見積を取るのに苦労しています。(正しく表現すると「見積もり合わせ」です。厳密には「合見積」とは異なります。別記事で詳細に記載してます。)

 

「見積もり合わせ」に参加

官公庁の契約手続きには、「競争性の確保」という大原則があります。あらかじめ特定の会社と契約しようと思っても、合見積書が必要なケースが多くあります。そして合見積書は、「いろいろな会社から取りたい」と考えています。

 

ここで、少し「あいみつ」「合見積書」「相見積書」について説明します。

 

国の会計法令(予決令第99条の6)では、「随意契約によろうとするときは、なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない」という規定があります。地方公共団体も、それぞれの組織で同様の規則を定めています。

 

金額の設定は組織によって異なりますが、一定金額(20万円とか50万円とか100万円など)以上の場合は、複数の会社から見積書を取り寄せて、そのうち一番安い会社と契約するというルールがあります。官公庁の契約原則である「競争性の確保」という意味でも、いろいろな会社から見積書を取り寄せて、一番安い会社と随意契約したいのです。

 

会計検査や外部監査のときに、随意契約で一番問題となるのは「契約金額の妥当性」です。契約金額の妥当性を確認するためにも、他の会社と比較した見積書が必要になるのです。また、取引相手の会社を「公平に選定しているか」、「偏っていないか」が問題になります。いつも同じ会社と随意契約を繰り返していたり、「見積もり合わせ」に参加している会社が、いつも同じだったりすると指摘されます。そのために多数の会社の見積書が必要なのです。

 

「見積もり合わせ」に参加することによって、契約実務担当者の信頼を得て、随意契約を勝ち取っていくのです。最初は「ガツガツ」ではいけません。契約実務担当者の意向を十分に理解して、「契約を取れなくても良い」気持ちで参加するのです。

 

見積書の提出方法は、メールでの送信や訪問して手渡すなど、契約実務担当者の指示どおりに対応します。見積書の提出依頼から2~3日以内で提出しましょう。「書類を正確に作成して期限までに提出できる」という信頼感を与えることが大切です。提出が遅いと信頼を失います。書類の日付欄や押印欄については、契約実務担当者の指示どおりに対応します。「この日付では作成できません」とか、「社長の印は押せません」とか言ってしまうと取り引きは困難になります。官公庁側は、公平性・公正性の観点から書類を取り寄せるので、日付の指示があれば、そのとおり対応しましょう。契約事務担当者からの「細かい指示」は勉強のチャンスでもあります。必ずメモして参考にしましょう。

 

契約実務担当者からすれば、何度も「合見積書」を依頼していれば、(契約が取れないのに、いつも誠実に対応してくれ、頑張っているから、次は契約してみよう」という気持ちになります。そうなれば「見積り合わせ」も必要ない少額な随意契約を獲得できます。

 

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チャンスの多い「契約獲得手法」

 

「あいみつもり」に参加させてもらう。

 

これが現実的で、チャンスの多い契約獲得手法です。

 

また、書類提出などで訪問するときは、相手の様子を見ましょう。契約実務担当者が質問してくるようなら、チャンスです。丁寧に説明しましょう。しかし忙しそうなら、周りの人へ伝言を依頼して、書類だけ置いて帰ります。強引に説明するようなセールスは避けます。「名刺とカタログだけを置かせてもらう」くらいの潔い営業が、結果的に好印象を与え、随意契約の獲得に結びつきます。

 

契約実務担当者から見ると、「必要なときに動いてくれる」営業担当者が、最も信頼できます。質問に対しても「聞きたいことを教えてくれる」人です。関係ないことをベラベラ話す人は敬遠されます。


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「見積書って、どうやって依頼するの?」

「予定価格の作り方が、全然わからない!」

「どうやったら仕事が覚えられるのだろう?」


初めて担当する仕事は、わからないことばかりです。


例えば、新人のときは、見積書を取り寄せるだけでも、大変な仕事です。何しろ、中学や高校では何も教えてくれませんでした。


上司から「見積書を取り寄せてください。」と指示されても、初めて経験することであれば、どのようにすればよいか、全くわかりません。
会計法令では「見積書が必要」と定められていても、では実際に、どのように手続きを進めれば良いかわからないのです。電子メールで依頼するのか、電話で依頼するのか、依頼文の内容はどう書けば良いのかなど、具体的なことがわからないのです。


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官公庁(役所)で働く人や、官公庁向け営業担当者に役立つ書籍です。


誰でも、初めての仕事は不安なものです。「経験がなく」知識が不足するため不安になります。知識として「書類の作り方」を知っていれば、不安になりませんし、ミスもしません。経験に基づく知識は学ぶことができます。書類作りをマスターすれば、仕事に追われることがなくなり、余裕が生まれてきます。そして毎日が楽しくなってきます。さらに同僚や上司からも信頼され、友人まで増えてきます。


本書籍は、官公庁の会計実務について、いろいろな視点から解説しています。わずか数分のスキマ時間だけで、しっかりと学ぶことができます。 なお紙の書籍は、印刷経費が高くなってしまうので、販売していません。多くの方へ、安くお届けしたいので、電子書籍のみです。


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コメント

  1. tkalice より:

    はじめまして。

    当方、営業職の者ですが貴重な情報でとても役立ちます。
    もし気が向きましたらで構いませんので今後もこのような営業に役立つ記事(例えば官公庁のCTIの仕様はどのように決定しているか等)を更新して頂きたいです。

    是非よろしくお願いします。

    • 矢野 雅彦管理人 より:

      管理人です。

      コメントありがとうございます。

       

      回答が大変遅れ、申し訳ありません。
       

      官公庁のCTI関連の仕様作成について、一般的な作成プロセスを参考に記載します。(詳細は後日記事にします。)
       
      前提として、発注者である官公庁側に専門技術者がいないケースです。

       
      1.複数の専門業者へ、おおまかな内容を伝え、提案書を提出してもらう。

       
      2.提案書の内容を調べ、その中で、必須の仕様(求める内容)を抽出し、官公庁側の複数の人に検討してもらう。(仕様策定委員会のような会議形式で仕様書を作ることもあります。)

       
      3.ある程度の仕様が固まったところで、再度、専門業者へ参考見積書を提出してもらう。

       
      その後、入札手続きを実施します。

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