産学連携で失敗しない! 産学連携のメリットを正しく理解する

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営業担当
2002年 ハワイ
営業担当

東京大学で産学連携を担当した実務経験者による「産学連携」の解説です。
自社の商品やサービスへ、大学の研究成果を取り入れる方法です。ライバルに負けないためには、科学的な証明を持つ商品が効果的です。顧客は、ほんとの科学的効果が知りたいのです。

 

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研究成果のメリット

 

自社の商品やサービスに、大学の研究成果を取り入れたいと思いませんか?

 

商品を宣伝するときに、大学の教授が実施した研究成果を活用できれば、ライバル商品よりも、ぐっと魅力的になります。「このような効果がある」、ことを客観的に証明することができます。信頼性が各段に上がります。

 

研究成果のデータを商品開発に取り入れたいとき、あるいは国立大学の教授から技術指導を受けたいとき、実際に、どのように対応すれば良いか解説します。

 

今まで大学の教授と面識がなく、接点がないと、どのようにコンタクトすれば良いか悩むと思います。そんな時に役に立つ方法です。

 

東大教授とコンタクトを取る前に、知ってもらいたいことがあります。東大の教授たちが、毎日どのような生活を送っているかです。典型的な例を簡単に説明します。実際に41年間、東大で事務職員として勤務した経験からの解説です。

 

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東大の教授は、とても多忙

 

まず、東大の教授は、大きく理系と文系の二つに区分されます。所属する部局や研究テーマによって別れています。理系の教授が所属する部局は、医学部、工学部、理学部、農学部、薬学部です。文系は、法学部、文学部、農学部、教養学部、教育学部です。この他に研究所があります。

 

多くの東大教授は、授業を担当しています。学部生や大学院生に教えています。自分の研究を行いながら、授業を受け持っています。講義を行う時には、当然ながらその準備も大変です。授業がない時も多忙です。自分の研究を進めなくてはなりません。

 

文系の教授は、授業がない日は、職場の教授室か、あるいは自宅で研究を行っています。理系の教授は、自分の教授室の外に、研究室や実験室を持っています。理系の研究は、実験を実施してデータを収集し、解析します。実験で収集するデータは、24時間連続のこともあります。また1台数千万円もする高額な研究用設備でないと解析できないようなデータもあります。電子顕微鏡を使う研究も自宅では不可能です。研究室でしか行えません。理系の研究者は、自宅では研究を行うことができません。そのため研究室で過ごすことが多いです。24時間連続してデータを収集したり、地道な実験を繰り返すようなときには、寝袋で泊まり込みです。何日間も研究室に泊まることさえあります。

 

また、これは東大の教授に特有なことかもしれませんが、政府の委員を依頼される教授が極めて多いです。政府からの依頼に基づき、委員会や審議会、諮問委員会などに参加しています。

 

つまり多くの東大教授は、授業を受け持ち、自分の研究を行い、政府が開催する委員会などへ参加しています。ほとんどの教授たちは、食事もゆっくりできないほど、時間に追われています。ゆっくりできる時間は、ほとんどありません。土日などの休日も、自宅で研究していたり、研究会やセミナーに参加していたり、24時間365日すべて仕事(教育や研究)のことを考えています。ものすごく多忙な東大教授へ面会を求めるのは、実際、かなり難しいです。

 

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文系と理系の違い

 

さらに文系の教授は、研究室を持っていません。研究室がないということは、秘書もいないことが多いです。現在(2020年)は、電子メールで問い合わせや連絡をすることが多いです。ただし、件名や発信者名をだけを見て、知らない人や興味のない内容であればスルーされることがほとんどです。実際に、東大教授への面会要望はかなり多いです。テレビや新聞、雑誌社などからの面会要望も多いです。コメントや意見を求められることがたくさんあります。

 

理系の教授は、ほとんどが研究室を持っています。研究室には准教授や助教、各種の研究員などが在籍しています。教授は、それらを統括しています。また、ほとんどの研究室には、秘書がいます。教授へのコンタクトは、秘書が対応します。逆に秘書を通さないで、教授へ連絡することは不可能です。秘書がスケジュール管理しているので、教授自身は面会可能か(その時間に予約が入ってないか)わからないのです。理系の教授宛に電子メールを送っても、同時に秘書へもメールが配信されています。そのため、あまり重要でないと思える内容については、秘書が単独で返信することも多いです。

 

このような状況から、東大の教授へ面会を求めたり連絡するのは、かなりハードルが高いです。しかし東大教授が、自分から興味を持てば、すぐに連絡を取ることができます。では東大教授は、何に関心があって、何に興味を持つのでしょう。

 

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東大教授の関心は

 

大学の本務は、学生を教えることです。そして学生を、社会へ送り出すことです。一流企業への就職など学生に有利になる就職情報や、就職先の待遇などについては大きな関心があります。立派な社会人として送り出すのが、大学の本来の目的といえるでしょう

 

教育と同じように重要なのが研究です。特に自分の研究です。教授は、研究者でもあります。教育と研究は、相互に補完し合っています。研究が進展すれば、よりよい教育が可能になります。教育効果を高めるために、教授たちは自分の研究を深めようとします。研究者としての仕事は、研究成果を論文としてまとめ、発表することです。

 

東大の教授は、さまざまな研究分野で活躍しています。1人の教授が所属する学会は5つくらいです。研究成果を論文として発表し、学会で認められれば研究者としての地位も高まります。社会に役立つ論文であれば、論文引用数が増え、実用化にも結びつきます。論文の引用数が増えれば、ノーベル賞など世界的に認められた研究者になれる可能性もあります。自分の研究が世界に認められ、ノーベル賞を獲得できれば最高でしょう。これ以上の栄誉はありません。

 

つまり、東大の教授たちは、皆、研究に力を入れたいと考えています。しかし研究に充てられる時間が少なすぎるのです。また2004年に国立大学が法人化されてから、運営費交付金が一方的に削減されてきました。2020年現在では、当初予算で配分される運営費交付金の中で研究費を捻出するのは困難です。

 

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研究に必要なもの

 

ほとんどの研究は、研究費が潤沢にあれば、当然ながら効率的に研究を進められます。研究を補助できる人を雇用して分担したり、高額な設備ならデータを短時間で処理できるのです。時間の少ない研究者にとっては、潤沢な研究費があれば、時間を節約できると考えます。すでに運営費交付金がほとんどなくなり、自分の研究を進めるためには競争的資金を獲得しなければなりません、科学研究費補助金に代表される政府系の競争的資金は、公募手続きによって獲得します。忙しい合間を縫って、公募資料を作成し研究費を申請します。しかし公募型の研究費は、獲得できる保証はなく極めて不安定です。獲得できたとしても3年から5年間しか保証されません。つまり多くの東大教授は、安定的な研究費を求めています。

 

例えば東京大学では、競争的資金以外の研究費を獲得する方法は、寄附金、共同研究費、受託研究費です。競争的資金を含めて外部資金と呼ばれています。東大教授が興味を持つのは、これらの外部資金と言われる研究費です。

 

東京大学に限らず、多くの国立大学では産学連携が推進されています。1995(平成7)年から、政府の政策として国立大学の研究成果を社会へ還元することが求められています。産業の発展に結び付けようと計画されました。産学連携に関するセミナーが頻繁に開催されるようになってきました。

 

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セミナーへ参加する

 

東大教授など、国立大学の教授は、ものすごく多忙です。そして研究費も少ない中で、色々工夫しながら生活しています。教育や研究に関係ないメールや電話であれば、当然ながらスルーします。そんな中でも、東大教授の目に止まる方法をいくつか紹介します。

 

最も簡単な方法は、国立大学が主催するセミナーへ参加することです。多くのセミナーが無料で開催されています。事前申込制が多いですが、担当教授だけでなく、教授に関係ある人たちと面識を持つことができます。特に秘書や事務関係者との交流も有意義です。ほとんどのセミナーでは、後半に質疑応答があります。講義を聞いていて疑問に思ったことを質問する機会があります。教授と直接会話ができます。教授の方から見ても、興味深い質問や面白い質問であれば、当然記憶に残ります。セミナーによっては、その後に開催される案内メール等を発信するため、電子メールの登録ができるところもあります。

 

またセミナーが終わった後は、夕方から懇親会や交流会が開催されることもあります。懇親会は有料が多いですが、五千円ぐらいで、お酒を飲みながら東大教授たちと交流することができます。各大学で開催している研究会やセミナーは、必ず参加資格が書いてあります。参加条件が特に限定されていなければ積極的に参加してみましょう。

 

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寄附金を申し入れる

 

セミナーの次に、ハードルがそれほど高くないのは、寄附金です。特定の教授に対して、寄附を申し込むのです。10万円とか20万円でも大丈夫です。寄附金額については、最低限いくら以上という基準はありません。10万円でも20万円でも可能です。ただ当然ながら、あまり小さい金額は、事務手続きの方が大変になってしまい、興味を持ってもらえません。一般的には30万円以上です。50万円あるいは100万円であれば、かなり有利になります。

 

関係性を維持するために、毎年、一定額を寄附している企業も多いです。寄附金なので、当然ながら見返りは期待できません。しかし関係性を維持でき、研究に関する情報を得ることができるなど、色々なメリットがあります。寄附手続きを担当する事務部門とも知り合いになれます。

 

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共同研究を申し入れる

 

あなたの会社に、研究開発部門があるなら、あるいは研究者が在籍するのであれば、共同研究も検討の対象になります。博士号を持った研究者なら、かなり有力な手法です。共同研究は、国立大学の研究者と、民間企業の研究者が、同一の研究課題について研究するものです。国立大学の研究室へ、民間企業の研究者を派遣することも可能です。派遣するときは研究料が必要になります。いわゆる授業料に相当します。研究者は派遣せずに、それぞれで研究することもあります。国立大学側の研究者と、民間企業側の研究者とで、定期的に研究会などを開催し、相互の研究成果を交換したり、どちらかがまとめるものです。

 

気になる共同研究費ですが、国立大学で実施する研究経費をすべて負担する場合と、負担しない場合があります。国立大学と民間企業が、それぞれで自分たちの研究費を負担する「分担型」と呼ばれる共同研究があります。分担型であれば、民間企業の負担額はゼロです。しかし分担型の共同研究は少ないです。国立大学の研究者からすると、「自分で研究費を負担してまで、一緒に共同研究したいと思うほどの会社」である場合です。一般的には国立大学が実施する研究経費を、民間企業が負担する場合が多いです。

 

共同研究費として多いのは50万円から300万円くらいです。ときどき1000万近い共同研究費もありますが、そこまで研究費に余裕があれば、寄附講座や社会連携講座を検討する方法もあります。寄附講座等であれば、学生教育を公式に支援することになります。大学の授業を担っているとなれば、社会貢献として強烈なアピールになります。

 

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受託研究を申し入れる

 

受託研究は、民間企業が国立大学の教授に対して、研究を依頼することです。民間企業では研究できない内容のものを依頼するケースです。当然のことながら受託研究に必要な研究費は、すべて民間企業側が負担することになります。

 

国立大学は営利企業ではないため、特定の商品の宣伝はできません。しかし商品に使われている成分や材料などの効果を科学的に検証する研究は可能です。教授の専門分野を進展させる研究テーマを依頼するなら問題ありません。研究者としては、自分の研究テーマに合致し、なおかつ研究費を補填してもらえるなら、興味を持ちます。

 

受託研究に近い制度として受託試験もあります。何かの試験を依頼するものです。例えば、超高圧下の耐性試験とか、高温など特殊な環境での試験などです。圧力や温度などの条件を変える設備が、大学には多数あります。気になる受託研究費の金額ですが、おおむね100万円から300万円ぐらいが多いです。

 

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寄附講座、社会連携講座の設置

 

民間企業が経費を負担して、国立大学が講座を開設するものです。一番ハードルが高いです。3年から5年の期間で、講座を維持するための費用を負担します。

 

例えば、東京大学の社会連携講座であれば、共同研究を前提として、年間2000万円、最低でも3年以上です。総額6000万円以上です。研究内容によっては、1億円近くの講座設置費用が必要なこともあります。

 

国立大学で行う教育の中で講座を開設できるため、その効果は絶大です。大学によっては、講座に企業名を使うことも可能です。宣伝効果も抜群です。学生の就職先としても有利な立場になります。資金に余裕があるなら、講座を設置して、学生等への教育と研究の両方の面から教授たちと一緒に活動できます。

 

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研究者や研究テーマを見つける方法

 

各国立大学には、産学連携あるいは産官学連携の窓口が設置されています。専門の部署がある大学が多いです。問い合わせサイトがあれば、遠慮なく質問ができます。

 

また、研究テーマを集めた「研究シーズ集」が公開されています。商品化や実用化に役立ちそうな研究成果が一覧として集められています。それらを参考にするのも良いかもしれません。参考に、主な大学の一覧を記載します。

 

東京大学 産学連携プロポーザル

東京大学産学連携プロポーザル

 

京都大学産官学連携本部

共同研究パートナー 募集サイト(この指とまれ!)
京都大学と一緒に研究していただけるパートナーを募集しております。ご関心をお持ちいただける情報がございましたら、お問い合わせをお待ちしております。

 

大阪大学

研究シーズ - 大阪大学

 

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特許等出願費用について

 

研究成果は、特許と同じです。国の政策として、産学連携が始まったときから、国立大学が積極的に特許を取得することが推進されてきました。しかし国立大学は、営利企業ではないため、特許に基づく製品化は不可能です。商品開発は実施できません。

 

そのため特許の出願費用や維持費用は民間企業にご負担いただき、売上に応じたロイヤリティーを入れてもらうことが一般的です。ただこれらの特許に関することは、実際に研究成果が特許として申請できそうな段階で、別途検討することができます。先に共同研究を開始して、研究が順調に進み、特許がとれそうな研究が生まれたときに、平等な立場で、特許について検討できます。まずは研究を進めてみましょう。


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