同等品で入札するときに注意すべき点、例示規格品で入札するメリット

営業担当

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同等品で入札するときの書類作成方法と注意点の解説です。入札説明書や仕様書に例示規格品が記載してあれば同等品よりも審査が簡単になります。同等品で技術審査に合格するための書類作成方法のコツを解説します。仕様の表記ミスのチェックが重要です。

 

同等品での入札とは

 

官公庁が実施する入札は、広く競争参加者を集めるため、特定メーカーの指定物品以外に同等品での入札を認めるケースが多くあります。特に、特例政令に基づく高額な政府調達契約(国際入札)は、メーカー指定を禁止しています。

 

政府調達に関する協定
第六条 技術仕様

 

3.入札説明書においては、調達に当たって適合することを要求する要件として商標、商号、特許、デザイン若しくは型式又は産地、生産者若しくは供給者を特定してはならず、当該要件の説明においてこれらに言及してはならない。ただし、これらを用いなければ十分に明確な又は理解しやすい当該要件の説明を行うことができない場合にその説明において「又はこれと同等のもの」というような文言をこれらに付すときは、この限りでない。

同等品で入札するときの書類作成の方法とコツをくわしく解説します。

 

官公庁側の契約実務担当者だけでなく、入札に参加を希望する民間会社の営業担当者向けの解説です。

 

最初に同等品での入札が可能か確認

官公庁がWEBサイトや掲示板などに掲載している入札公告では、契約内容を簡潔に表現する「件名」のみを掲載しているケースがほとんどです。

 

入札件名 ○○用什器類 一式

入札件名 机・椅子 一式

 

このような件名で表示されている入札公告については、内容(仕様)を確認する必要があります。まず入札関係書類(入札説明書や仕様書)を入手します。

 

入札公告には、「問合せ先」が記載してあります。もし、近くであれば、事前に電話して入札担当係を直接訪問し、入札関係書類をもらうのが良いです。担当者が在席していれば、同等品での入札が可能かどうか等の入札内容を尋ねることもできます。

 

また、入札公告に記載してある連絡先へ電話して、直接、電話で聞くことも可能です。

 

電話での問合せ方法

 

規模の大きい官公庁は、多数の入札を平行して実施しています。問い合わせるときは、実際の入札公告を見ながら尋ねます。件名と入札日(開札日)の情報が明確でないと、どの入札かわからず答えられません。

 

○月○日掲載の入札公告、(調達物品名あるいは件名)を見たのですが、内容を教えてもらいたいのですが。

 

担当者が在席していれば、電話で対応してくれます。

 

この入札は、同等品での入札は可能でしょうか?

 

同等品での入札が可能か不可能か教えてくれます。極めて稀なケースですが、入札経験の少ない契約実務担当者は「書類を取りにきてください、書類に書いてあります。書類を見てください。」などと冷たく答える人もいます。これは、「特定の会社だけを有利に扱わない。」という入札の基本原則を勘違いしている人にありがちなことです。丁寧に説明することを「有利な情報を与える」ことと勘違いしています。経験の少ない契約実務担当者にありがちなことなので、容赦してあげましょう。

 

また、契約実務担当者から、「例示品(例示規格品)を記載してあるので、そちらでお願いしたい」という回答があった場合、次のように再度確認します。

 

例示品以外は審査に合格するのは困難ですか?

 

「いや、技術仕様(仕様)を満たせば問題ありません。」との回答であれば同等品を認めるということです。仕様書の内容を満たせば、例示品でなく同等品での入札が可能です。

 

もし、例示品で入札可能なら、リスクのない例示品にしましょう。例示品が技術審査で不合格になることはありません。同等品は技術審査に合格する必要があります。

 

入札関係書類での確認方法

 

入札では、特定の物品を指定している場合と、例示品のみを示し、同等品を認める場合があります。同等品での入札を認めている場合は、必ず、入札説明書あるいは仕様書(技術仕様書)に明記してあります。

 

同等品での入札は、開札前に技術審査があります。

 

通常は、開札日時の1週間から2週間前に入札書と提案書の受領期限があり、そのときに同等品であることを証明する書類を提出します。

 

同等品を認めた入札であるか

同等品を証明するための技術資料の提出期限がいつか

開札日がいつか

 

上記の日時を確認し、書類の作成と契約内容を履行できるか判断し、入札に参加することになります。

 

同等品を証明する資料の作成方法

 

同等品として入札する場合の書類名は、技術提案書、提案書、履行証明書、仕様書など様々な名称です。作成方法は同じですので参考になるかと思います。

 

最初に、入札説明書(仕様書)の中から必要とする仕様(性能等)の一覧を作成します。そして、それらを証明する書類(カタログやメーカーの技術仕様書)を添付します。

 

仕様一覧を目次として作成

 

仕様一覧は、表形式で作成します。

 

官公庁側が求める仕様・数量を、そのまま左欄に転記します。コピーのように全く同じ内容にします。官公庁側の仕様書に順番を示す番号や記号が記載してあれば、それも転記します。

 

次の欄に、同等品として申請する物品の仕様と数量を表示します。そして、その仕様が記載してあるカタログやメーカーの仕様書に付箋を貼り、仕様等が記載してある部分をマーカーあるいはマジックで下線を付してマークします。

 

もし、仕様の表現方法が異なっているときは、備考欄に表現が異なっていても同じ内容であること(数値の換算など)を、わかりやすく説明します。

 

書類の提出方法

 

入札書と同等品であることを証明する書類とは別の封筒で提出します。同等品の技術審査は、開札前に実施します。入札書と一緒に封筒に入れてしまうと、審査(技術審査)ができなくなってしまいます。通常、入札書は密封してあり開札日時に開封します。

 

同等品の書類は、資料の厚さにもよりますが、フラットファイルあるいはキングファイルなどに綴じて提出します。最初に目次として表形式の仕様一覧、その下に仕様一覧の順番どおりにカタログやメーカーの技術仕様書を綴ります。ファイルの表書きは、指定がないときは、「件名○○ 提案書」です。

 

同等品で入札するときの注意点

 

入札公告、入札説明書、仕様書の中で、例示規格品が記載されているときは、例示規格品を提案するのが安全です。例示規格品は、入札公告前に審査(技術審査)を終えている物品です。通常、例示品での入札は、技術審査を省略し合格になります。

 

もし、例示規格品以外の同等品(類似品)で入札する際は、必ず、仕様内容のチェックを複数の人で行なう必要があります。極端な例ですが、カタログと仕様一覧の数値の記載ミスだけで不合格になることがあります。

 

官公庁側の入札担当者に十分な作業期間があれば、提案書で不明な点を問い合わせすることがありますが、通常は、限られた時間の中で技術審査を行なうので、記載ミスだけで不合格にすることが多いです。記載ミスで2つの数値や表記方法があると「性能不明」と判断されます。数値の小数点のミス、文字の表記ミスだけで不合格になるリスクがあります。

 

実際には同等品であったとしても、書類審査では、書類の表記がミスしていれば不合格になります。表記ミスのケースでは、どちらが正当なのか判断できないのです。

 

例えば、仕様一覧の表記がミスしていて、添付したカタログは正しい性能だとしても、官公庁側の技術審査の判断では、添付したカタログが間違っている可能性があり(別のカタログを添付した)仕様が不明と判断します。特に入札者が多いときは、「提出書類で明確に判断できないものは不合格」という考え方で審査します。

 

くどいようですが、例示規格品が記載されていれば、リスクのない例示規格品で提案し、やむを得ず同等品で入札する場合は、必ず、複数の目でチェックしてから提出することが大切です。提案書のさしかえは認めないのが原則なので要注意です。

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