「リバースオークション」のデメリット、格差社会を拡大するリスク

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官公庁が実施する「リバースオークション」についての解説です。「リバースオークション」は、価格競争を繰り返し契約の相手方を決定します。しかし過度の価格競争は、会社の体力を奪い、将来的に傷を残します。リバースオークションのデメリットです。

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リバースオークションとは

 

近年(2011年)、「リバースオークション」という言葉を耳にするようになりました。いわゆるオークション(高く売るために、価格を競り上げて買い手を探す方式)の逆システムです。せり方式で価格を下げていき、売り手を探すシステムです。2010年7月5日付け日本経済新聞の朝刊でも、政府が「競り下げ方式」を導入する方針を固めたとの報道がありました。確かに、リバースオークションを利用すれば、シビアな価格競争が実施され、従来の入札制度に比較して、大幅な値引きが期待できます。

 

インターネット上で、リアルタイムに短時間で価格競争を行うので、なんとしても契約を獲得したい会社は、大幅に値引きします。契約実績を獲得するために、広告効果まで考えた無理な価格を提示するでしょう。そうなれば、もはや「適正な価格」あるいは「適正な競争」とは言えません。

 

いわゆる「安かろう、悪かろう」が、リバースオークションの特徴です。

 

参加する会社は、ライバル会社を打ち負かそうと、自社の利益を犠牲にして安価な金額を提示します。時には、名声を得ること(実績作り)を目的に安価な金額を提示するでしょう。

 

官公庁側からすれば、物品を安く購入できるので、一見すると、それは良いシステムに思えます。しかし、「自制心を持たない過度の競争」は、次のようなリスクが発生します。そして、そのリスクは将来的に致命的な影響を与えます。

 

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将来的に致命的な傷になる

 

金額のみに着目した契約は、「安かろう、悪かろう」の「投げ売り」状態になります。契約締結後にアフターサービス(修理などの不具合対応)をしない、修理の依頼をしても、なかなか受け付けてもらえない、修理の対応が遅い、などの弊害が発生するのです。これらの弊害は、目に見えない形で現場を疲弊させます。

 

例えば、納品後1年以内の無償保証期間中の簡単な修理でさえ、官公庁側の契約実務担当者が、物品をメーカーへ発送しなければなりません。梱包する手間や発送費も発生します。

 

さらに、展示品や売れ残り商品、見えない傷のある商品を納品することもあるでしょう。仕入ルートの不明な商品(闇商品)を納品したり、ライバル企業に受注させないよう、法令に違反するような故意に安い金額を提示することさえあります。

 

特に、リバースオークションの弊害として社会的に問題になるのは、ライバル会社を潰すような「不当な競争」です。中小企業を潰すような競争が生じてしまうことです。

 

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健全な「価格競争」と「市場経済」

 

官公庁が実施する契約手続きは、目的のひとつとして、景気を刺激し経済を活性化させることがあります。補正予算による景気刺激策が典型例です。その前提となる「公正な契約手続き」では、適正な利益を守る必要があります。健全な市場経済の発展を、無理な価格競争によって妨害してはいけません。

 

民間会社同士の取引なら、完全な価格競争でも問題ありません。しかし、国民の税金を使用する官公庁の組織が、弱者を潰すような入札システムを導入するのは「公正ではない」のです。そもそも、官公庁の契約実務担当者は、日本全体の経済システムを、持続的に健全に発展させるという気概(意識)を持つべきなのです。

 

近年(2011年時点)の不況は、「過度な競争」「不公平な競争」が原因の一部になっているのです。格差社会が拡大しています。

 

筆者の提唱する「透明契約・透明入札制度」による公正な契約手続が望まれます。

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