正しい「見積もり合わせ」のみが真に公平、電子入札は公平ではない理由

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基礎知識
2022年7月 東京ゲートブリッジ

電子入札やオープンカウンター方式の見積もり合わせは、真の意味で公平とはいえません。価格競争だけで相手方を選んでしまうと、一部の大企業のみが契約を独占できてしまうからです。昔の紙ベースの「見積もり合わせ」なら、中小企業を選ぶことができます。

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官公庁における公平性は、競争だけを意味するものではない

 

官公庁は税金で運営しています。貴重な税金を国民から強制的に集めているので、使うときは公平でなければなりません。公平性は、いろいろな考え方がありますが、誰もが平等に扱われることを意味します。例えば官公庁が実施する一般競争入札であれば、参加したい企業は誰でも参加できることを意味します。特定の民間企業だけが入札へ参加できるようであれば不公平です。誰もが情報を知ることができる、開かれた手続きが官公庁に求められるのです。

 

一般競争入札のように、誰もが参加できる、という公平性はとても重要です。しかし、参加できるだけで、毎回競争に破れて落札できず、結果的に官公庁と契約できない状況が続くとすれば、本当に公平であると言えるでしょうか?

 

例えば、一般競争入札で価格競争を行ったとします。価格競争であれば、大きな資本を持つ大手企業が有利なことは間違いありません。入札の結果、一部の大企業のみが官公庁と契約できるという状況が常態化しても公平なのでしょうか?国民の税金が、一部の大手企業のみへ流れてしまうのです。

 

資本主義社会では、市場原理に基づく自由競争が原則です。ライバルに打ち勝つ弱肉強食の世界です。自らの努力で獲得した利益を使う民間企業が実施する入札であれば、完全な価格競争で問題ありません。たとえ特定の大企業が毎回落札したとしても、国民の税金を使っていないので、公平性が問題になることはありません。自分で稼いだお金を、どう使おうが自由です。民間企業同士の取り引きでは、競争の結果、中小企業が負けてしまうのは仕方がないことです。

 

しかし官公庁は、国民(大企業も中小企業も含む)全員から税金を徴収しています。税金は、本人の意思に関係なく、強制的に徴収されています。そのため税金を使うときは、国民全体のためでなければならないのです。一部の人の利益のためだけに税金を使うことは許されません。

 

官公庁の役割は、弱肉強食の世界を守り、強い者だけを優遇することではありません。大企業のみを優先し、中小企業を見捨てるのは、官公庁の役割として間違っています。官公庁は、むしろ弱い立場の中小企業を助けるべきなのです。立場の弱い者を助ける政策こそが行政の役割です。

 

個人事業主や中小企業など、立場の弱い人たちを無視して価格競争のみを行うのであれば、行政は不要です。電子入札やオープンカウンター方式、公開見積もり合わせなどによる価格競争は、大企業のみを有利にするための不公平な制度です。

 

つまり官公庁における契約実務担当者は、価格競争ばかりを重視すると、結果的に間違った政策を実施してしまうのです。一部の大手企業だけの受注を増やし、個人事業主や中小企業を無視する結果になるのです。

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電子入札やオープンカウンター方式の問題点

 

2010年頃から、さまざまな官公庁で電子入札や電子調達、オープンカウンター方式の見積もり合わせなどが行われるようになりました。いずれも Web 上に調達情報が公開され、不特定多数による価格競争で契約の相手方を決定するものです。

 

WEB上で安い金額を提示できた会社が契約を獲得します。誰もが参加できるので、必然的に一部の企業のみが契約を独占できてしまうシステムです。

 

価格競争になれば、個人事業主や中小企業は、大手企業に太刀打ちできません。結果的に、中小企業などは官公庁の契約から締め出されてしまい、税金が特定の大手企業のみへ流れるようになってしまうのです。

 

参加機会が確保されているとしても、いつも競争に負けてしまい官公庁と契約できないシステムでは、真に公平とはいえないのです。個人事業主や中小企業が、実際に受注できるシステムでないと公平ではありません。

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契約を公平にできる「見積もり合わせ」

 

電子入札やオープンカウンター方式が始まった2010年以前は、一定金額以上の高額な契約のみが一般競争入札の対象でした。一般競争入札に該当する場合のみ、入札公告がWEB上へ公開され、紙の入札書による価格競争を行っていたのです。大規模な契約のみが、完全な価格競争である入札の対象だったので、年間の件数もそれほど多くありませんでした。

 

ほとんどの契約は金額が小さく、契約担当者の公平な判断で、個人事業主や中小企業と契約していたのです。大企業や、落札件数の多い企業を除外し、中小企業のみで見積もり合わせを行い、落札できない会社を優先していたのです。

 

昔の官公庁の契約担当者は、受注企業のバランスを常に意識していました。大きな入札で落札した企業を除いて、受注の少ない個人事業主や中小企業のみで見積もり合わせを実施していたのです。

 

WEB上で行うオープンカウンター方式による見積もり合わせは、一般競争入札と同じように、誰もが参加できてしまいます。それでは特定の企業のみへ契約が偏ってしまうのです。価格競争に勝っているからといって、受注が特定の民間企業へ集中するのは公平ではありません。

 

大きい契約は、一般競争入札で価格競争を実施し、小さい契約は受注の少ない企業同士で見積もり合わせを行い、全体としての受注バランスを取っていたのです。国民の貴重な税金が、特定の民間企業のみへ流れることのないよう常に注意していたのです。

 

当然ながら、自社の利益のみを考えている怪しい企業や、贈収賄を匂わせるような言動のある企業は、完全に排除できていたのです。

 

「国民の税金を使う」ということ、「公平に契約の相手方を選ぶ」ということを常に契約担当者は意識していたのです。「特定の企業のみを有利に扱わない」ということを、昔は「見積もり合わせ」で実践していたのです。

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今なら電子入札をやめることができる、税金の無駄遣いをやめよう

 

特定の企業へ税金が流れるという不公平をなくし、契約の相手方として個人事業主や中小企業をバランスよく選ぶ、という考え方が崩れ始めたのは、電子入札や電子調達が普及し始めてからです。

 

電子入札などの導入は、政府の誤ったデジタル化政策によるものです。政府部門のデジタル化が遅れていることから、必要性を検討することなく、あらゆる業務をデジタル化してしまったのです。

 

実際の入札は、契約手続きの中でごく一部に過ぎません。電子化されたとしても効率化にはなっていません。電子入札へ参加する企業側から見ても、システムごとに様々なマニュアルを理解しなければならず、さらに公的個人認証サービスの利用義務付けなどで年間の維持経費までかかります。

 

特定の企業だけが儲かる(永遠にシステム保守経費を稼ぐことができるという意味)電子入札へ参加するだけでも、かなり大変な状況です。

 

入札会場へ出向かなくても、会社から入札できるなどと言うメリットは、電子入札による膨大なデメリットに比べれば、ほとんど意味がないでしょう。

 

また電子入札では、談合事件や贈収賄事件は防げません。談合は、入札の前に起こるものです。むしろ紙ベースの入札の方が、入札会場で顔を見て入札するので、談合の抑止力は強いでしょう。贈収賄事件も電子入札とは関係なく発生します。つまり電子入札のメリットは、電子入札システムを開発している一部の企業だけを永遠に儲けさせるだけなのです。「公平さ」とは正反対のシステムなのです。

 

不公平な電子入札や電子調達は、すぐにやめるべきです。今(2022年)なら、まだ引き返せます。正しい考えで、公平な契約を行い、税金の無駄遣いをなくしましょう。

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