嫌われる営業担当者の共通点とは、官公庁が信頼する営業担当者の資質

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営業担当
2007年 シンガポール

官公庁が信頼する営業担当者についての解説です。官公庁で長い間契約実務を担当し、いろいろな営業担当者と一緒に仕事をしていると、嫌われる営業担当者の共通点がわかってきます。官公庁と民間企業の違いを理解して対応すると営業成績も上がります。

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官公庁に嫌われる営業担当者とは

 

私は、公務員として40年間働きました。いろいろな分野の仕事を経験してきました。中でも契約実務は長く経験しました。

 

世界最先端の設備を扱う東京大学での勤務が長かったので、普通の官公庁では経験できない契約を担当してきました。今まで随意契約は数百件、入札も100件以上担当してきました。バリバリの契約担当者でした。そこで官公庁の契約担当者の視点から、契約を獲得できる、信頼できる営業担当者について解説します。

 

官公庁で契約を担当していると、民間企業の営業担当者と打ち合わせする機会が多くあります。長い間、いろいろな営業担当者と会話していると、注文が取れる営業担当者、嫌われる営業担当者が見えてきます。私個人の感想ということではなく、同僚や部下たちから聞こえてくる気持ちです。

 

嫌われる営業担当者には、共通している点があります。自社の利益のみを最優先していることです。さまざまな営業担当者と一緒に仕事してわかってきたことてすが、数千円程度の利益の少ない仕事に対して、明らかにいい加減な態度になる人がいるのです。

 

嫌われる営業担当者の対応

 

小さい契約では、書類を依頼しても、催促するまで提出しない。

 

小さい契約では、わからないことを質問をしても回答しない。

 

ところが、100万円を超えるような高額な契約になると、急に態度が変わるのです。

 

人間ですから、利益の少ない仕事は嬉しくないのは理解できます。しかし官公庁で働くものとしては、契約金額がいくらであろうと、大切な国民の税金を使うわけです。まして必要書類や支払い手続きは同じです。契約担当者としては、金額に関係なく真摯に取り組んで欲しいのです。

 

また、自分の会社のみアピールするような営業担当者に対しては次回から発注しなくなります。

国民の税金を使っている官公庁では、国民のために良い仕事をしようと思っています。常にみんなのためという意識が強いです。多くの公務員には、特定の企業を優先するような考え方はありません。

 

一方、民間企業の多くの人たちは、自社の利益のために仕事をします。民間企業と公務員の大きな違いでもあります。公務員という言葉があるように、官公庁の職員は、みんなのために仕事をします。

 

私は、ライバルに勝って偉くなるという生き方が嫌で公務員になりました。上司にへつらいながら出世する人生に魅力を感じませんでした。もちろん、公務員の中にも民間企業と同じ競争が必要と感じている人もいます。上司のご機嫌を取りながら偉くなる人も多いです。それを否定するつもりはありません。人それぞれ価値観が違いますし、生き方が違うわけですから。

 

しかし公務員は、公正さ、公平さを意識することが重要です。

 

そのため自分の利益だけ考えている営業担当者には違和感を感じてしまうのです。もちろん表情には出しません、大人ですから。しかし自分のことしか考えない営業担当者にはリスクを感じてしまうのです。

 

自社製品ばかりアピールする営業担当者は、次のように感じてしまいます。

もしかしたら、騙されて高い物を買わされるかもしれない。

 

実際には、それほど悪質な営業担当者はいないでしょう。でも卑しい考えを持つ営業担当者は、反射的に警戒してしまうのです。この感覚は、私だけではなく同僚や部下たちも同じです。ごく一部の営業担当者ですが、卑しい考えの人がいます。そういう人に対しては、周りの人たちも必ず同じ感想を持っていました。直感的にイヤと感じることは同じです。

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ライバル会社まで紹介する公正さ

 

私がまだ新人係長だった三十代後半の頃です。課長からロゴマークの作成について相談を受けました。すでに契約実務経験 8 年以上のときです。入札も随意契約も数えきれないほど経験していました。しかしロゴマークの制作は初めてです。

 

もちろん係の中にも経験者はいません。課長からは、説明できる資料を2~3日以内に欲しいと頼まれています。おそらく課長としても、部長へ説明しなくてはいけないのでしょう。すぐに検討が必要でした。

 

インターネットで調査すると、ロゴマークを作成する会社は多数あります。しかし初めての会社は怖いものです。できれば、いつも取り引きしている会社へ頼みたいです。

 

そこで、いつも取り引きしている会社の営業担当者へ電話しました。1社のみでは欲しい資料が手に入るか心配なので、2社へ声をかけました。

 

A社の20代後半の営業担当者は、以前から私の部下たちも警戒していました。ガツガツしていてイヤだと感じていたのです。A社の若い営業担当者へ「ロゴマークの制作を検討したいので、概算の見積額と、契約の進め方などを急ぎで調べて欲しい」と依頼しました。まだ契約するか未定であること、検討段階の資料だがすぐに欲しいことも伝えました。

 

もうひとつのB社は、40代の営業担当者です。ベテランでいつも笑顔です。電話すると真っ先に来るような人です。私の部下たちも好きな営業担当者です。B社のベテラン営業担当者は、いつも動きが速いので、最初にA社の若い営業担当者へ午後3時くらいに依頼したのです。その後、同じ内容をB社のベテラン営業担当者へ依頼しました。

 

翌日、朝11時に来訪したのは、後に依頼したB社のベテラン営業担当者でした。概算の見積書も数種類のパターンに分けて作成してありました。品質を重視するか、金額を重視するか、デザイナーのクラスをどの程度にするか、などの資料を持ってきてくれました。どれもわかりやすく、コピーするだけで上司へ提出できる完成度の資料でした。さらに最後に次のように提案してくれました。

 

「私の会社では取り次ぎしかできず、代理店のような形になり中間マージンが発生してしまいます。もし、よろしければ当社を経由せずに直接契約した方が安くなると思います。正式契約できそうな段階ですぐに先方のロゴマークの会社へ伝えます。」

 

なんと、自分の会社の利益よりも、私たち、つまり官公庁側の利益を最優先に考えてくれたのです。しかもB社のベテラン営業担当者は、徹夜に近い状況で資料を作成しています。図や表を使ってわかりやすくまとめられた資料は、最低でも5時間以上かかってるでしょう。自分の会社の仕事よりも、私たちのことを考えて行動してくれたのです。

 

一方2日後になっても、A社の若い営業担当者からは連絡がありません。催促するのも悪いと思い電話しませんでした。しかし課長からも催促され、もう待っていられません。仕方なく電話しました。すると留守電になりつながりません。すぐに電話が欲しい、と留守電に入れましたが2時間経過しても連絡がありません。しばらくして、ようやく電話がつながりました。A社の若い営業担当者へ、依頼した資料の提出について確認すると次の返答でした。

 

「当社では対応できない案件なので、他の会社をあたってもらえませんか?」

 

こちらとしては、2日間も資料を期待して待っていたのです。私も、さすがに黙っていられませんでした。

 

「急な依頼で申し訳なかったですが、対応できないなら、すぐに連絡してください。こちらは期待して待っていたのです。これは失礼な対応ですよ。」

 

すると、20代後半営業担当者は謝りもせずに、いきなり電話を切ったのです。

 

これらのやり取りを、ずっと見ていた部下のひとりが、次のように言いました。

 

「係長、予想どおりですね。やはりA社の若い営業担当者はダメですね!信頼できません。もう関わるのは止めましょう。こちらが被害を受けてしまいます。」

 

他のみんなも頷いてました。それからは、誰もA社へ発注しなくなりました。やがてA社の若い営業担当者の顔を見ることもなくなりました。

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信頼できる営業担当者とは

 

A社の若い営業担当者は、契約できるかどうかわからない資料作りに労力をかけたくない、儲けにならない仕事はしたくない、と考えたのでしょう。自分の利益のことしか考えていないわけです。儲からない仕事は無視する態度です。これでは信頼できません。

 

B社のベテラン営業担当者は、自分の会社が得意でない分野であっても、いろいろと調査しデザイナーへ連絡し資料を作ってくれました。わかりやすい検討資料なので、翌朝11時に持ってきてくれたことを考えれば、徹夜状態だったことは明らかです。自分の会社の利益を度外視してまで、官公庁側のことを考えてくれました。得意でない分野は、他の会社を紹介してくれたのです。

 

どちらの営業担当者を信頼できるか一目瞭然です。係内の全員が同じ判断でした。

 

官公庁で契約実務を担当していると、信頼できる営業担当者へ発注したくなります。危ない会社は避けたいものです。

 

これらの営業に関することについて、コンサルティングもお受けしています。

官公庁への営業方法、一般競争入札へ参加する方法が知りたいとき
官公庁への営業方法についてコンサルティングをお受けしています。官公庁に40年間勤務していた管理人が、契約を獲得するコツや効率的な営業手法をアドバイスします。実際に競争入札や随意契約を担当していた立場からの「正攻法の戦略」です。

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