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契約手続き

仕様書の作り方を学ぶ方法、仕様書を学ぶときのポイント

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官公庁の契約担当者が、仕様書の作り方を学ぶ方法です。初めて仕様書を作るときは、とても不安になります。どのように仕様書を作るのか全くわかりません。何から始めるのか、どのように進めるのか、何もわからないのです。余裕のあるときに、仕様書の作り方を学びましょう。

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仕様書の役割を正しく知る

 

仕様書には、様々な種類があります。製品の性能を表すだけのこともありますし、要求する内容を意味することもあります。人によって仕様書の捉え方が異なります。この解説で扱う仕様書とは、官公庁が契約の相手方を探すときに、相手方へ求める条件(契約に必要な内容)を記載した書面です。契約手続きに必要な仕様書です。

 

競争入札や見積もり合わせを行うときに、金額を見積もるための前提条件になります。

 

仕様書 = 官公庁側が求める内容

 

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仕様書を作るときの注意点を理解しておく

 

仕様書は、契約金額を積算する(見積もる)ために必要な書類です。仕様書に記載してある内容から契約金額を計算します。仕様書は「わかりやすい内容であること」が最も重要です。また契約金額に影響する内容であれば、必ず記載しなければなりません。

 

「わかりやすい内容」という意味は、「専門家なら理解できる」ということではありません。「誰でも同じように理解できる内容」という意味です。

 

競争入札や、随意契約の見積もり合わせへ参加しようとする営業担当者は、ベテランだけではありません。学校を卒業したばかりの新人が担当することもあります。ベテランだけでなく、新人にとっても容易に理解できるような仕様書が望ましいわけです。

 

法律用語のように難解な表現を使うと、勘違いしてしまうことがあります。勘違いしたまま入札に参加したり、見積書を提出すれば、後々トラブルになります。トラブルになれば入札を取りやめたり、契約を履行途中で止める事態になってしまいます。官公庁側の契約担当者、民間企業の営業担当者だけでなく、参加した他の会社の営業担当者に対しても大きな迷惑をかけます。トラブルが、さらにトラブルを呼び込むことさえあります。

 

仕様書は、誰にとっても理解しやすく、勘違いしない内容であることが最重要です。

 

そしてもう一つ覚えておきたいことは、たとえ完璧な仕様書を作ったとしても、トラブルが起きるときは防ぎようがないということです。

 

どれほど完璧な書類を作ったとしても、弁護士が入るようなトラブルになることがあります。トラブルは「感情のもつれ」が原因です。相手に不信感を持つことによって、大きなトラブルが生じるわけです。話し方ひとつで相手を怒らせ、険悪な関係になってしまうことがあるのです。

 

もちろん、注意して仕様書を作るわけですが、完全にトラブルを防ぐ「完璧な仕様書」は存在しません。それほど力を入れ過ぎる必要はありません。注意は必要ですが、肩ひじ張らず、気軽に作りましょう。

 

契約実務担当者にとって基本的な心構えは、「対等の立場で話をする」ことです。お金を払うのだから、自分はお客の立場だから、官公庁だからと「奢ってはいけない」ということです。「丁寧に誠実に相手と話をする」のが基本姿勢です。仕様書の文面も、強い命令口調は避けましょう。

 

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仕様書の作り方を勉強する方法

 

上司から「仕様書を作ってください」と依頼されても、初めてのときは何もわかりません。どのように始めるのか、皆目検討がつきません。わからない部分がわからないのです。そこで仕様書の作り方を学ぶ方法を解説します。

 

まず最初に行うことは、過去の契約を調べることです。会計検査院の実地検査を受けている国の組織であれば「契約の一覧表」を毎年作成しています。一覧表を見れば、いつどのような契約を締結したかわかります。また多くの官公庁では、コンピューターによる会計システムを導入しています。契約件名や契約金額などの条件から、過去のデータを検索できます。作りたい仕様書が決まっているのであれば、一覧表の中から似ている契約をピックアップします。5つくらい事例があれば十分です。過去の契約事例が見つかったら、紙の書類を探します。(電子ファイルよりも紙のファイルの方が勉強しやすいです。)

 

該当する紙の契約書類が見つかったら、次の書類を複写機でコピーします。契約書類をファイルから抜いた後は、すぐに元へ戻しておきましょう。書類を元の場所へ戻すときは、必ず、書類の順番も確認しましょう。原本は、コピーが終わったらすぐに元の場所へ戻します。(仕事の基本でもありますが、ファイルから書類を抜いた後で、他の仕事をしてはいけません。書類を戻せなくなってしまいます。)

 

仕様書の勉強に必要な書類

 

〇入札公告

 

〇仕様書、入札説明書

 

〇予定価格調書、予定価格算出内訳書(なければ見積書)

 

コピーした紙のファイルは、A4封筒などを半分に切って、契約案件ごとに入れておきます。封筒には「勉強用〇〇」と書いておきます。「勉強用」が恥ずかしければ、好きな名前で識別すると良いです。

 

 

次に電子ファイルを探します。

 

 

該当する電子ファイルをコピーします。電子ファイルは「移動」ではありません。必ず「コピー」です。原本の電子ファイルは、そのまま残しておきます。勉強用のフォルダを新しく作って電子ファイルをコピーします。ファイル名を「勉強用〇〇」と変更しておきます。

 

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仕様書の作り方を勉強するときのポイント

 

紙の書類と電子ファイルが準備できたら、次の点に注意して紙の書類を読みます。(電子ファイルは、新しく仕様書を作るときに使います。主に内容をコピーして使うことになります。勉強するときは使いません。電子ファイルでは、全体を見渡す一覧性がないため学べません。)

 

仕様書の作り方を勉強するときのポイント

 

〇仕様書の記載項目

 

〇文体、「ですます調」や「である調」の使い方

 

〇自分で読んで理解できるか
(もし、わからない部分があれば、作成者に教えてもらいましょう。)

 

〇仕様書と予定価格(見積書)の比較
(仕様書に書いてあることを、どのように予定価格で積算しているか)

 

上記の項目について、ゆっくりと読みながら、頭の中でイメージします。契約内容を簡単にイメージできれば問題ありません。イメージできない部分はマーカーして、くわしく調べます。作成者に聞いたり、インターネットで調べて、その結果を赤ペンで紙の仕様書へメモしておきます。自分なりに理解して、補足説明を赤ペンで書き込みます。

 

時間のあるときに、契約案件をひとつずつ確認し、最後に他の契約案件と比較します。記載項目が異なるときは、その理由まで調べましょう。そして違いをイメージします。記載項目の根拠法令まで調べておくと良いです。紙の仕様書へ根拠法令を赤字でメモしておきます。

 

赤字で補足説明の入った資料が、自分だけの勉強資料になります。

 

日常業務の中で勉強することになるので、1日のうちで30分くらいです。朝や夕方など、自分の中で時間のとれるときに、毎日勉強すると良いです。

 

仕様書の作り方は、まず自分の職場の過去の書類から学ぶのが一番効率的です。次に他の官公庁などの仕様書を参考にします。検索サイトで「省庁名 入札公告」で調べたり、政府電子調達(GEPS)サイトや、各自治体の電子調達サイトなどでも多数の仕様書が掲載されています。

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