講演料の源泉徴収で判断に悩みました。海外からのオンライン講演で、謝礼金を支払う際に源泉徴収すべきか迷ったのです。オンラインでの講演なので、日本には来ていません。しかし日本国内の会場で、スクリーンに映って講演をしてくれるわけです。
オンライン講演が多くなった理由
2020年1月、日本で新型コロナウイルスの感染が初めて確認されました。2022年3月現在、感染は全く収まっておらず、これからも感染の波が押し寄せるという心配な報道ばかりです。最初の頃と比較すれば、ワクチン接種が普及し、以前よりは効果のある薬もわかってきたので、だいぶ恐怖感は薄らいできました。それでも海外からの入国者は規制されている状況です。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、学校でも遠隔授業などが推奨され、海外の研究者の講演もオンラインで行うことが多くなりました。インターネットが発達し、回線速度も安定しているので海外からのテレビ電話も、それほど違和感なくできます。
昔は、海外の教授や研究者を招へいし、シンポジウムや研究会などに登壇してもらうのが普通でした。講演を行ってもらったときは謝礼金を支払うこともありました。ただ、日本へ来てもらうための旅費を支払うときは、講演謝金を含めると、旅費までが源泉徴収の対象になってしまうので注意が必要でした。
オンライン講演の源泉徴収は必要?
海外在住の教授や研究者へ講演を依頼し、オンラインで参加してもらうときに、源泉徴収の対象になるのか調べました。租税条約を考えない場合の判断です。(なお、私は税理士ではないので、実際のケースは税務署へ問い合わせてください。ケースバイケースで判断することになります。)
例えば、アメリカに住んでいる教授へ、日本で開催されるシンポジウムにオンラインで参加して講演してもらい、謝礼金を外国送金で支払う場合です。
税務署へ確認したところ、日本に来ていなければ源泉徴収は必要ない、とのことです。
アメリカからオンラインで講演するのであれば、日本に来ていないので、国内源泉所得に該当しないとの判断です。日本ではスクリーンに映るだけで、本人は日本にいないので国内源泉所得にはなりません。国内源泉所得に該当するのは、本人が日本に来て行う講演だけです。
つまり、外国人による海外からのオンライン講演は、源泉徴収不要です。
ただし実際の事務処理では、税務署へ電話で再確認しましょう。源泉徴収の判断は、内容によって変わります。実際の内容を税務署へ伝えて、正確な判断を把握することをお勧めします。税務署は怖いイメージがあるかもしれませんが、細かく相談すれば、丁寧に教えてくれます。
コメント