官公庁が実施する一般競争入札へ参加する方法です。入札に参加するメリット、入札情報の探し方、参加資格を申請する方法、落札情報から戦略的に入札する方法をわかりやすく解説します。契約実務経験者による営業担当者向けのアドバイスです。
そもそも一般競争入札とは
税金を運営財源とする官公庁は、事業を実施するために民間企業とさまざまな契約を締結します。契約の規模が大きい場合は、原則として一般競争入札を実施します。一般競争入札は価格競争です。つまり官公庁側にとって、一番有利な金額、安い金額を提示した相手と契約を締結します。
一般競争入札へ参加した経験のない営業担当者にとっては、むずかしそうに感じるかも知れません。しかし一般競争入札へ参加することは簡単なことです。入札書を提出することは、見積書を提出するのと同じです。そして一般競争入札に関する情報は、インターネットが普及した現在、簡単に見つけることができます。毎日のように新しい入札公告が掲載されています。営業のチャンスは無限に存在しています。
官公庁と契約するメリットは、大きく2つあります。
官公庁は破産しないので、取り引きが安全
官公庁との契約実績は、会社自体の信用度・信頼度がアップ
官公庁の契約担当者は、過去に官公庁と取引実績のある会社は「信頼できる安全な会社」と考えています。
一般競争入札の案件を探す方法
2019年6月現在、官公庁の大多数が入札公告をインターネットのWEB上で公開してます。誰でもが入札に参加できる機会が確保されてます。
入札情報を探す方法も多数あります。民間会社が運営している有料の入札情報サイトもあります。しかし官公庁の入札情報は、基本的に無料でWEB上に公開されています。
GoogleやYahooなどの検索サイトで、次のキーワードで簡単に探すことが可能です。
「地名あるいは組織名 入札」
「地名あるいは組織名 入札公告」
入札公告の中に、WTO対象とか、政府調達契約、特定調達契約の表示がある契約は、国際入札の対象になっている高額な契約(1000万円以上)です。一般競争入札の手続きは次の流れになります。
一般競争入札へ参加する手順
1.入札情報を探す キーワード「官公庁名 入札公告」
2.入札参加資格を取得(申請方法、提出書類を事前確認)
3.入札公告を見て、入札説明書と仕様書などを入手
4.入札金額を検討し、入札に参加するかどうか判断
5.入札書を提出(関係資料も提出することがあります。)
6.開札に立会い(再度入札を実施することがあります。電子入札では立会い不要です。)
7.落札(契約書の取り交わし)
一般競争入札へ参加するために、最初に必要なことは入札参加資格を取得することです。国関係の入札参加資格は、次のサイトで全省庁の参加資格を取得することができます。
全省庁統一資格審査(工事契約は除く)
都道府県や市町村などの地方自治体は、自治体ごとに参加資格を定めています。早めに情報収集して参加資格を取得しておきましょう。
資格審査の申請は簡単です。例えば国の場合、新規の申請のときは次の書類を用意するだけです。
全省庁統一資格の申請書類の例
登記事項証明書(現在事項全部証明書又は履歴事項全部証明書)(法人の場合のみ)【写】
財務諸表
納税証明書
営業経歴書
誓約書・役員等名簿(記入要領あり)
全省庁統一資格は、審査が完了すると資格審査結果通知書が発行されます。官公庁で実施する入札に参加するときはコピーを提出します。
審査の結果、付与される等級は、会社の優劣や営業成績を意味しているわけではありません。審査の内容を見るとわかりますが会社の規模を等級として格付けしてるだけです。大企業はA等級が多いです。等級によって入札が不利になることもありません。
落札するためには、予定価格以内で最安値が条件になります。過去の入札状況を知りたいときは、落札結果や落札情報が参考になります。入札公告を掲載しているサイトで、落札情報も公開されています。試しに入札関係資料を見て入札金額を見積もり、実際の落札結果と比較してシミュレーションすると戦略が見えてきます。
一般競争入札に必要な仕様書等の入札関係資料を入手することは誰でも自由にできます。実際に入札に参加しなくてもペナルティは一切ありません。入札書提出前であれば、入札辞退書を提出し、自由に辞退することが可能です。
ただし入札書を提出した後は、辞退できません。開札の結果、落札決定したときも辞退は認められません。開札に立ち会わなくても、金額を記載した入札書を提出済みであれば、辞退は不可能です。
一般競争入札へ参加するときの心構え
入札は見積書を提出するのと同じですが、それぞれの入札案件によって提出する書類や提出期限が決められています。不明な点は遠慮なく担当係へ問い合わせできます。
最初の入札はわからないことが多いと思います。遠慮なく電話等で質問して入札に慣れることが大切です。各省庁や地方自治体によって提出する書類は様々です。少しでも不明な点があれば電話で確認してから準備・作成しましょう。初めての入札は、提出期限にゆとりのある入札を選ぶと良いです。
本サイトではコンサルティングもお受けしています。
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