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契約手続き

「見積もり合わせ」の手順、仕様書の作成から結果通知までの具体例

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「見積もり合わせ」のために見積書を依頼
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官公庁が実施する「見積もり合わせ」の解説です。初めて見積もり合わせを担当するときは、どのように進めるのか全くわかりません。会計法令では、実際の手順が定められていないのです。

 

そこで実際に見積もり合わせができるように、具体例で細かく解説します。見積書を依頼する方法から、見積書の比較、合否結果を通知するまでの手順です。

 

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見積もり合わせの手順

 

見積もり合わせ(みつもりあわせ)は、官公庁が少額随意契約を締結するときに、契約の相手方を選ぶための手続きです。(競争性がない随意契約とは異なる点に注意してください。)

 

見積もり合わせの大まかな流れ(手順)は次のとおりです。

 

見積もり合わせの手順(主な流れ)

1.仕様決定・仕様書の作成
2.販売会社の調査
3.見積書の提出依頼
4.見積もり合わせ
5.結果通知

 

官公庁の会計実務では「なぜ、この手続きが必要なのか、この書類が必要なのか」を理解することが大切です。会計法令などのルールに基づく「適正な事務手続き」が常に求められています。まず、「見積もり合わせ」の根拠法令から確認します。

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見積もり合わせの根拠法令

 

少額な契約であれば、入札手続を省略し、見積もり合わせにより随意契約を締結することができます。通称、「少額随意契約」と呼ばれています。「少額随契」ともいいます。

 

少額随意契約が可能な範囲は、予決令(予算決算及び会計令)第九十九条で、契約の種類ごとに上限額が定められています。金額は、消費税や取付費など全てを含んだ総額です。

 

予算決算及び会計令(昭和二十二年勅令第百六十五号)

第九十九条 (略)随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。

二 予定価格が二百五十万円を超えない工事又は製造をさせるとき。

三 予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき。

七 工事又は製造の請負、財産の売買及び物件の貸借以外の契約でその予定価格が百万円を超えないものをするとき。

 

条文中の「・・を超えない」という表記は、「・・以下」という意味です。「踏み超えない」と覚えると理解しやすいです。

 

地方自治体は、地方自治法施行令 第百六十七条の二 別表第五で、都道府県や市区町村ごとに上限額が定められています。考え方は予決令と同じです。

地方自治法施行令

第百六十七条の二 (略)随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。
一 売買、貸借、請負その他の契約でその予定価格(略)が別表第五上欄に掲げる契約の種類に応じ同表下欄に定める額の範囲内において普通地方公共団体の規則で定める額を超えないものをするとき。

 

別表第五
工事又は製造の請負
都道府県及び指定都市  二百五十万円
市町村  百三十万円

 

財産の買入れ
都道府県及び指定都市  百六十万円
市町村  八十万円

 

前各号に掲げるもの以外のもの
都道府県及び指定都市  百万円
市町村  五十万円

 

わかりやすいように、予算決算及び会計令第九十九条の契約種類ごとの金額を簡単にまとめると次のとおりです。少額随意契約が可能な主な契約の範囲です。自分の組織の会計法令に合わせて一覧表にしておくと理解しやすいです。

少額随意契約が可能な範囲(国の場合、予決令第九十九条)

 

工事契約や製造契約 250万円以下(二号)

物品購入契約 160万円以下(三号)

役務契約 100万円以下(七号)

 

少額随意契約の根拠法令を確認しましたので、次になぜ見積もり合わせが必要か、その根拠法令を確認します。

 

予算決算及び会計令(国の場合)

第九十九条の六 契約担当官等は、随意契約によろうとするときは、なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない。

 

地方自治体は、それぞれの規則で同じように定めています。

東京都契約事務規則

第三十四条 契約担当者等は、随意契約によろうとするときは、契約条項その他見積りに必要な事項を示して、なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない。

 

神奈川県財務規則

第50条の2 契約の締結を随意契約の方法によつて行う場合(略)においては、2人以上から見積書をとるものとする。

 

官公庁が行なう契約手続きの原則は、不特定多数の者による一般競争入札です。随意契約は、原則に対する例外手続きです。少額随意契約は、最初から2~3社のみを選定し、見積書の比較によって契約の相手方を決定します。契約実務担当者が事前に数社の会社を(契約の候補先として)選んでしまうものです。

 

少額随意契約が認められている理由は、業務効率化のためです。事務手続きを省略して簡素化することで、契約の相手方を早く探すことができるようにしています。

 

一般競争入札と随意契約を比較すると、事務手続きの負担が大きく異なります。随意契約なら3日程度で契約できる手続きが、一般競争入札を実施すると2ヶ月くらい必要になります。金額の小さな契約まで一般競争入札の対象にしてしまうと、それこそ税金の無駄使いになってしまうのです。極端な例ですが、2千円くらいの電卓を1個購入するために、2か月もかかっていたら、担当する職員の人件費の方が高くなってしまいます。また、もし金額の小さい契約まですべて入札していたら、職員数を20倍くらいに増やさないと対応できないでしょう。

 

そこで業務効率化を優先しながらも、契約手続きの基本原則である価格競争の原理を部分的に取り入れて「見積もり合わせ」を行うことにしているのです。

 

「見積もり合わせ」によって少額随意契約を締結できる金額の範囲は、組織によって異なります。組織の規模(予算額や職員数)で変わります。多い例としては50万円以上からです。

 

では実際の見積もり合わせの方法を、くわしく説明します。

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仕様決定

 

最初に仕様を決定します。ここでの仕様とは、発注者である官公庁側が求める内容(必要とする性能)です。購入したいノートパソコンの性能・規格を決定し、販売会社へ見積書の提出を依頼するときに仕様が必要になります。仕様を作成する担当者を選び、カタログやインターネット上から資料を収集して、比較検討を行い仕様(機種)を決定します。

 

どのような基準で選んだか、選定に至った経緯や、比較検討に使用した資料を基にして、機種選定理由書を作成します。仕様決定は、なるべく複数の者(2~3名)で手分けして作業を行なうと、うっかりミスを防止でき、効率的な事務手続きになります。

 

例として、定価15万円のノートパソコンを7台購入する契約を想定します。合計105万円の契約予定金額です。(少額随意契約の根拠法令は、予決令第99条第1項第3号、地方自治法施行令第167条の2)

選定機種

ノートパソコン DELL製 New XPS 17プラチナ

 

CPUにCorei7を搭載し、メモリが8GBという基準で選びました。

 

インターネット上で、およその市場価格(販売価格)を調べます。価格が1台当たり15万円であれば7台で105万円です。金額は、消費税込みの金額です。

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仕様書の作成

 

仕様(機種)が決定したら、次に仕様書を作成します。仕様書は、販売会社に対して見積書の提出を依頼するための書類です。機種の他に契約条件を記載します。

 

簡単な物品購入であればA4の紙1枚です。

仕様書

品名 ノートパソコン DELL製 New XPS 17プラチナ Windows10 Pro搭載

 

数量 7台

 

納入期限 2023(令和5)年11月30日(木)

 

納入場所
住所 東京都千代田区
◯◯省 ◯◯課 3階 会計係

 

納入・引渡し方法

上記の納入場所へ搬入・設置後、発注担当者による立会いのもとで既設LAN及び既設プリンターとの接続試験を行い、本物品の性能について検収確認後に引き渡しを行う。なお、接続に必要なケーブル類も本契約に含み、すべて供給者が負担するものとする。

 

保証等

(1)本物品の保証期間は、引き渡し後1年間とし、当該保証期間中に生じた故障等については、発注者の故意または過失による場合を除き、無償にて修理するものとする。

(2)故障時には速やかに担当者を派遣し、修理点検を迅速に行うこと。

(3)本仕様書に示す事項の他、疑義が生じた場合には発注者の指示に従うこと。

 

請求書の送付先
◯◯省 ◯◯課 3階 会計係

 

支払条件
検収確認後、適法な請求書を受理した日から30日以内に1回払いとする。

 

契約の細目(別に定めている場合)
◯◯省が定めた物品供給契約基準によるものとする。

 

本件担当
◯◯省 ◯◯課 会計係 ◯◯

電話03-0000-0000

 

仕様書が完成したら、見積もり合わせを実施する前に、決裁手続きを行います。

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見積もり合わせの実施伺い(決裁手続)

 

通常、見積もり合わせを実際した後に、すぐに契約手続きへ移行します。そのため見積もり合わせを実施する前に、内部の承認(契約締結伺いの決裁)を受けます。

 

ただし組織によっては、少額な契約手続きは、契約担当係長の口頭承認のみで見積もり合わせを実施し、事前の決裁手続きを省略していることもあります。事前決裁を省略した場合は、見積もり合わせを実施した後に、契約の相手方を選んだ段階で、契約締結伺いとして決裁を受けます。決裁を終えた後で正式に発注します。

 

事前に決裁するときの書類は、原議書(起案文書)へ、購入する物品の必要理由を記載して、仕様書と参考資料(インターネットで調べた資料、およその契約金額がわかる資料)を添付します。「見積もり合わせ実施伺い」として決裁を受けます。一般的には事前に起案し、上司の承認が得られた後、見積もり合わせを実施することが多いです。

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見積書を依頼する会社を探す

 

見積書を依頼する販売会社は、数が多いほど良いです。しかし比例して書類手続きの手間が必要です。手間のかかる手続きになってしまうのでは、業務を効率化する目的に合わなくなってしまいます。そのため通常は 3社で見積もり合わせを行います。

 

販売会社を見つける方法は、まず日常的に取り引きのある会社へ、販売が可能か、電話で聞きます。すでに取り引きしている会社は、見積もり合わせも、その後の契約締結に必要な提出書類も理解しています。見積もり合わせに関する詳細な説明を省略でき、契約担当者の負担が大幅に軽減できます。ベテランの営業担当者であれば、すぐに必要書類を提出してくれるので、業務効率化も最大になります。

 

ただし注意すべき点は、日常的に取り引きしている会社だからといって、営業範囲外のことまでは依頼しないことです。ノートパソコンを全く取り扱ったことのない文房具販売会社へ依頼してしまうと、むしろ高額な契約になってしまうリスクがあります。修理などのアフターサービスもできないことがあります。

 

次に販売会社を調べる方法は、インターネット上のWEBサイトで調べたり、官公庁の調達情報検索サイトを利用します。「統一資格審査申請・調達情報検索サイト」では、国の入札参加資格を得ている会社の一覧が名簿として公開されています。参加資格を取得しているので、いずれも信頼できる会社です。地方自治体もそれぞれで名簿を公開しています。検索サイトで「自治体名 入札参加資格者名簿」で探すことができます。

 

調達ポータル → 統一資格審査申請 → 有資格者名簿閲覧

 

調達ポータル
調達案件の検索、電子入札・契約等の一連の手続きをワンストップで行うことができる府省庁共通のシステムです。 オンラインでいつでも利用でき、印紙税が不要、移動・郵送費や書類保管費の削減、印鑑が不要等のメリットがあります。

 

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見積書の提出が可能か、電話で確認

 

販売会社を3社探したら、最初に電話で見積書の提出が可能か確認します。会社によっては多忙で対応できなかったり、営業地域外であることもあります。

 

見積書の提出が可能か確認する電話の例

 

「はじめまして、私、◯◯省◯◯課の◯◯と申します。」(相手方:お世話になっております)

 

「私どもの方でノートパソコンの購入を計画していまして、御社ではノートパソコンを取り扱ってますでしょうか。」

 

(いいえ、取り扱っていません との返答の場合には、丁重にお礼を言います。そうですか、すみませんでした、残念ですが、また別の機会に取引をお願いできればと思います。どうもありがとうございました。)

 

(はい、取り扱っています。との返答の場合)

 

「それでは見積書の提出を無料でお願いできますでしょうか。」

 

(はい、無料で提出できます。)

 

「今回は、見積もり合わせという方式で、御社の他にも何社か声をかけさせて頂きまして、最も安い見積書を提出して頂いた会社と契約したいと考えています。」

 

(わかりました、ぜひ、参加させてください。)

 

「では見積もり合わせの案内をさせて頂きますので、連絡方法(電子メールあるいはFAX、担当者のお名前)を教えてもらえればと思います。」

 

依頼書類の送付先と担当者名をメモし、最後に「お忙しいところ、ありがとうございました」とお礼を言ってから電話を終えます。電話を切るときは、相手が切った後に切りましょう。こちらからお願いしていることなので丁寧な姿勢が重要です。

 

同じように他の2社へも、見積書の提出が可能か、電話で事前確認します。(これは社会常識にもなりますが、初めての相手へ、いきなりメールするのは失礼です。最初は電話が良いです。知らない人からのメールは、そもそも迷惑メールと間違われますし。)

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見積書の提出依頼文

 

見積もり依頼の送付先が確認できたら、次にメール(あるいはFAX)の文面を作成します。

 

見積書の提出を依頼するときの文例

◯◯株式会社
◯◯営業部
◯◯◯◯様

 

いつもお世話になっております。
◯◯省◯◯課 会計係◯◯です。
私どもでは、別紙仕様書の物品の購入を計画しています。

 

今回は、御社の他にも数社、見積書の提出を依頼してます。提出頂いた見積書のうち、最も有利な金額を提示して頂いた方と契約を締結する予定です。

 

つきましては、ご多忙中恐縮ですが、2023(令和5)年10月6日(金)までに見積書の提出をお願いします。(注:メール添付あるいはFAXでの提出も可能です。)

 

なお、お手数ですが、受信確認のため本メールに返信(受信した旨の記載のみ)あるいは電話連絡頂けますと幸いです。

注:見積書の提出をメールまたはFAXでも可とする場合のみ、その旨を記載します。押印のある書面での提出を必要とする場合は、「郵送または持参でお願いします」と記載します。

 

以上のような依頼文に仕様書を添付して、販売会社の担当者へ送ります。送る日時は3社とも同日の同じ時間帯として不公平が生じないようにします。(見積期間の長短が金額に影響することもあります。遅くとも1時間以内には各社へ送信しましょう。)

 

見積書の提出期限は、依頼日から1週間以上の余裕を持って設定します。見積金額の積算に必要な期間に余裕がないと、多くの場合、金額が高くなります。依頼した見積書が揃ったところで比較し、最安値の会社と契約することになります。

 

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見積もり合わせの実施

 

郵送で提出された見積書は、受け取ったときに封を開けて内容を確認し、見積書と封筒をクリップ止めしておきます。メールで添付された見積書は、メール本文と見積書を印刷し、クリップ止めします。FAXで送付された連絡メモも一緒に保存しておきます。そしてA4サイズの大きい封筒へ、各社の見積書をまとめて入れておきます。

 

見積書などをそのまま机の上に置いておくのは危険です。社名や見積金額がライバル会社などへ漏洩するリスクがあります。必ず、大きな厚手の封筒などへ各社の見積書を入れます。これらの書類は、見積もり合わせを正式に行なったことを証明する重要な契約関係書類になります。特に郵送の場合は、日付のある消印部分も残しておきます。

 

提出された見積書は、日付が記入されているか確認しておきます。もし日付が空欄の場合は、相手方へ電話連絡して日付の入った見積書を再提出してもらいます。日付は、見積書の作成日です。

 

見積書の提出期限が経過した後、(あるいは各社の見積書が揃ったとき)見積書を比較検討します。見積書を比較検討するときは、なるべく複数の者で行います。一般的には担当者と係長のケースが多いです。見積書を提出した会社を立ち会わせる必要はありません。立ち会わせることも可能ですが、そうなると公平性の観点から全社に参加してもらわねばならず、日程調整が大変になってしまいます。見積もり合わせの本来の趣旨(事務簡素化)から外れてしまいます。

 

見積金額に消費税が含まれていること(消費税の金額が明記されていること)を確認します。消費税が不明な場合は電話で確認し、再度消費税を明記した見積書を提出してもらいます。比較検討する金額は、消費税を除いた金額です。いわゆる本体価格で比較します。これは課税事業者が不利にならないようにするためです。官公庁の契約手続きでは、課税、非課税で差別してはいけないことになっています。

 

見積書の準備ができたら、各社の見積書を大きな机の上に並べます。そして複数人で見積書の内容をじっくり見ながら、最も有利な見積金額の相手方を選びます。担当者ひとりで選ぶよりも、複数人で選んだ方が安全です。

 

わずか5分程度の作業になりますが、テーブルの上に3社の見積書を並べ、複数人の目で見積金額や内容を見比べて契約の相手方を選びます。この見積書を並べ合わせ、比較する行為そのものが「見積もり合わせ」です。

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見積もり合わせの結果を連絡

 

見積もり合わせの結果、3社のうち最も安価なA社に決まったと仮定します。B社とC社へ、見積金額が高かったのでA社と契約することを伝えなければなりません。

 

この時に注意したいのが連絡する順番です。

 

見積もり合わせの結果を、各社へ連絡する場合は、最初に不採用(不合格)となった会社へ連絡し、一番最後に採用(合格)となった会社へ連絡します。

 

この順番が重要なのは、万が一、不採用(不合格)となった会社からクレーム等の問い合わせ(錯誤などを理由として、再度、安い見積書を提出したいなどの要求)があった場合の対応を考慮するためです。合格となった会社から、クレームが寄せられることは、まずありません。クレームがあるとすれば不合格になった会社からです。

 

なお各社から提出された見積金額は、契約の相手方を決定した後であれば契約金額を教えても問題ありませんが、契約の相手方を決定する前段階(見積もり合わせの途中)では、絶対に他社の見積金額を教えてはいけません。他社の見積金額を教えてしまえば、それよりも安く見積書を提出できてしまうのです。提出した後に他社より高いことがわかれば再提出を要求してくるでしょう。それを認めてしまえば、特定企業との癒着や官製談合へと陥ってしまいます。とても危険です。見積もり合わせの途中では、他社の社名や金額は絶対に教えません。

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見積もり合わせ「不合格」の文例

 

 見積もり合わせの結果、不採用(不合格)となった会社へ送るメールの文例です。連絡は電話でも構いません。

 

見積もり合わせの結果(不合格)通知文例

◯◯◯◯株式会社
◯◯営業部
◯◯◯◯ 様

 

いつもお世話になっております。

◯◯省◯◯機関の◯◯です。

先日、見積書を提出して頂きました(品名)の購入につきまして、見積もり合わせを行った結果、今回は◯◯会社様と契約を締結することになりました。

 

お忙しいところ見積もり合わせに参加して頂き、誠にありがとうございました。

 

今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
◯◯省◯◯機関  ◯◯

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見積もり合わせ「合格」の文例

 

不合格の連絡を終えてから少し時間を置き(不合格となった他社からのクレームがないことを確認し)、最後に合格した会社(契約の相手方)へ送るメールの例です。半日~1日程度の時間を開け、不合格となった会社からクレームがないか様子を見る方が安全です。(なぜかクレームは、連絡した後ほぼ1時間くらいですぐに来ます。)

 

見積もり合わせの結果(合格)通知文例

◯◯株式会社
◯◯営業部
◯◯◯◯ 様

 

いつもお世話になっております。

◯◯省◯◯機関の◯◯です。

先日、見積書を提出して頂きました(品名)の購入につきまして、見積もり合わせを行った結果、貴社と契約を締結することになりました。

 

つきましては、正式に発注(契約)したいので、納品準備を進めて頂きますよう、お願いいたします。

 

必要書類などの契約手続の詳細は、後日ご相談させて頂きますが、取り急ぎご連絡いたします。

 

◯◯省◯◯機関 ◯◯

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まとめ、「見積もり合わせ」のポイント

 

見積もり合わせを実施するときに注意したいポイントです。

〇見積書の提出依頼年月日、提出期限を各社とも同じ条件にする。

 

見積もり合わせの途中では、絶対に他社の社名や見積金額を教えない。

 

結果の連絡は、不合格者へ先に連絡し、合格した会社への連絡は一番最後にする。

 

〇提出期限までに見積書が提出されないときは電話で確認し、辞退の要望があったときは、見積書の金額欄に辞退と記載し提出してもらいます。メール本文に辞退と記載して返信してもらっても良いです。

 

以上が実際の「見積もり合わせ」です。

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コメント

  1. T より:

    前金払、概算払は履行期到来前ならばいつでも支出可能なんでしょうか。支出できる期間やその根拠法令があれば教えていただきたいです。

    • 矢野雅彦 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      前金払、概算払の支払時期は、次のように判断します。

      前金払
      すでに金額が確定しているので、相手方から指示された支払期限までに支払うことになります。前金払は支出の特例手続きになるので、相手方から支払期限が指定されます。例えば、輸入製品などは、入金が確認されてから納品になります。

      概算払
      金額が確定できない時期までに支払うのが概算払いです。例えば、長期の外国出張に必要な旅費であれば、出発前や出張中に支払うときに概算払いとなります。

      前金払については、予算決算及び会計令 第五十七条、概算払については第五十八条で、対象となる経費が限定的に定められています。支出の特例になるので、対象経費以外には認められません。

      また、支払時期は、経費の内容により変わるので、一律に定めた法令はありません。相手方から指示された支払期限や、金額が確定できない履行中に支払います。

      地方自治体は、それぞれで予算決算及び会計令と同じように規則を定めています。

  2. しがない事務屋 より:

    毎度お世話になり助かっております。
    産業廃棄物処理処理の契約についてご相談したいことがあります。
    産業廃棄物は収集・運搬業務と処分業務があり、種類によっては上記ニ業務を別々の業者に委託しなくてはなれないことがあります。
    そこで困っているのが、業者側の都合で、A社に収集・運搬業務を委託する場合、運搬できるのはB社しかなく、B社に処分業務を委託せざるを得ないということです。またC社は収集・運搬業者ですが、C社の場合は処分業務をD社に任せることになっています。
    この場合、処理料に応じた委託料限度額等を定め、A社・B社連合と、C社・D社連合で見積もり合わせを行うことに問題はないでしょうか?

    • 矢野雅彦 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      おっしゃるとおり、ゴミ(廃棄物)の処分については法令で厳格に定められているので、国家資格を確認してから契約しなければなりません。

      収集・運搬業と処分業は、それぞれで資格が異なるので、会社も別々になることが多いです。

      実際のゴミ処理の契約では、契約の相手方(収集・運搬業者)によって処分業者が決まるかと思います。処分場は数が少ないので、収集・運搬業者が契約している処分場に限定されてしまいます。

      通常の廃棄物処理契約では、収集・運搬業の専門会社と契約を結び、最終処分場を事前に申告してもらいます。つまり、最終処分場は、下請け会社のような位置関係になります。

      契約を締結するときには、契約の相手方に対して、収集・運搬業の許可証と、(中間・最終)処分場(別会社)の許可証の写しを提出してもらい、廃棄物の処理が法令に合致して履行できることを確認します。

      契約の相手方としては、収集・運搬業から最終処分までの契約を実施できる会社(通常は収集運搬業者)を選びます。契約の相手方は収集・運搬業者1社になります。見積もり合わせも、収集運搬業者間で行います。

      ご質問にあるように、収集・運搬業者と、処分業者を別々に契約することになると、発注者も受注者も、双方で発注や受注などの負担が増え、責任の範囲が曖昧になるなど、かなり面倒な契約手続きになってしまうかと思います。

      もちろん、ご質問にあるように「A社・B社連合と、C社・D社連合で見積もり合わせを行うこと」は法令上問題ないですが、A社・B社またはC社・D社とそれぞれ契約を締結するとなると、次の点を確認しておく必要があります。

      ・それぞれの会社の関係性と国家資格の確認
      ・それぞれの会社となぜ別々に契約しなければならないのか、その理由

      一般的に、収集・運搬業者が処分場をどこにするか決定するので、官公庁側が直接契約する必要はないです。もし処分場とも直接契約するとなると、かなり複雑な契約になってしまいそうです。

      それよりも、代表会社(窓口会社)をそれぞれ決めて、その代表会社が責任を持って全てのゴミ処理業務を実施する(処分場の会社を下請け会社のような関係で契約を履行する)とした方が、安全な契約になると思います。

      なお、ゴミの処理責任は、マニフェストにより、最終的には受注者ではなく発注者(ゴミ排出者)になります。そのためにも、無理がなく、法令に合致しており、商慣習にも適う相手方と契約した方が良いです。

      以上です。

  3. 匿名希望 より:

    いつも大変参考にさせていただいております。
    担当しているものの中で少し疑問があったものがありましたので、お伺いさせていただきたいと存じます。
    特定メーカーの機器の修理のために部品を購入することとなり、参考見積書を徴取したところ入札に付さなければいけない価格ではないもののかなり高価なものでしたので、見積もり合わせを実施することとなりました。しかしながら、メーカー代理店複数社問い合わせをしたところ、「その製品の補修部品についてはA社(参考見積業者)で取り扱うようにメーカーから指示がある」旨の黙示のルールがあるとの話を伺い、見積もり合わせではなく選定理由書を作成した形でA社との契約に切り替えるべきか迷っています。そのような文言を記載した代理店契約書のようなものはないそうで、根拠は代理店からの口頭の回答のみとなっております。

    以下2点お伺いしたく存じます。
    1)このようなケースでは選定理由書を作成した形での契約で差し支えないでしょうか。もしくは、本当にA社しか契約できないことを入札や公開見積もり合わせ等で担保したほうが良いでしょうか。

    2)そもそものところ独占禁止法に抵触しないかが疑問な点ではありますが、官製談合の問題とは別問題として考えて差し支えないでしょうか。

    ご見解伺えますと幸いでございます。

    • 矢野雅彦 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      機器の修理の場合、競争できないことが多いですね。

      今回のように、複数の代理店から、A社で取り扱うよう依頼されているのであれば、商慣行として事実だと思われます。

      その場合、無理に(対応困難であるのに)見積書を取り寄せるのではなく、選定理由書を作成して「競争性がない随意契約」とした方が良いです。

      修理などは、メーカーが地域ごとに代理店を指定することが多いです。メーカー側として取引の多い、信頼できる会社に任せる方が品質が確保できるのだと思います。代理店が修理作業を行う場合などは、メーカーが指定する代理店になります。(メーカーが定期的に技術指導しているためです。部品なども保管上の観点から特定の代理店を指定することがあります。)

      独占禁止法上問題になるのは、小売店が依頼してもメーカーが部品を卸さない場合です。今回のケースは、おそらくメーカーが代理店を推奨しているだけだと思われます。今回とは逆に、官公庁側がメーカーに対して、「A社以外は補修部品を取り扱いできない」という証明書を取り寄せてしまうと、独占禁止法に抵触してしまいます。

      なお、選定理由書としては次のような内容になるかと思います。

      「今回の補修部品について調査したところ、〇〇メーカー製の補修部品を取り扱えるのはA社しかない。よって(根拠規程に基づき)A社と随意契約を締結するものである。」

      そして別紙のメモに、聞き取り調査の結果を残しておきます。複数社へ口頭で聞いて同じ回答を得ているなら十分です。見積書を依頼しようと思って問い合わせしているので、見積もり合わせしようとした結果、競争できないことがわかったことになります。

      ただ、入札対象金額のときは、代理店2社だけでなく、メーカーにも問い合わせした方が良いです。メーカーによっては修理も入札可能な場合があります。

  4. 匿名 より:

    いつも大変参考にさせていただいております。
    お伺いしたいことがあり、コメントさせていただきます。

    物品の単価契約にあたり、予定価格(160万円以下)を設定したうえで見積もり合わせを行う予定です。
    従来、見積額が予定価格を下回らなかった場合、再度見積もり合わせを行っておりましたが、見積もり合わせを再度行うのは適正ではないと担当内で意見が出ました。
    具体例として以下のような懸念があるためですが、本来、予定価格を下回らなかった場合の見積もり合わせはどのように対応すべきかご教示いただけますでしょうか。

    【例】
    ある物品の予定価格:100円
     1回目見積もり合わせ
      A社…110円
      B社…130円
     2回目見積もり合わせ
      A社…辞退
      B社…120円
    (懸念)
    A社が辞退したことにより、A社と随意契約のための交渉ができなくなり、たとえA社の金額を下回れなくてもB社と随意契約するしかない。

    • 矢野雅彦 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      見積もり合わせで、予定価格をオーバーした場合は、当初の最安値以下で2回目の見積もり合わせを実施します。

      つまり、次のように依頼します。

      「一回目の最安値110円よりも安い金額で見積もりをお願いします。もし値引きが無理なようであれば、見積金額欄へ 辞退 と記載して提出をお願いします。」

      見積もり合わせでも、一般競争入札でも、2回目のときは、必ず1回目の最安値(上限金額)を提示してから実施します。そうでないと永遠に終わりません。

      もし全員が2回目に辞退したら、1回目の最安値から交渉しますが、高い方の会社や、すでに辞退している会社と交渉しても問題ありません。価格交渉は、(変な言い方をすると)早いもの勝ちです。価格競争した後であれば、誰とでも価格交渉可能です。例えば入札した際の、不落随意契約の交渉相手は、入札へ参加しなかった会社とも可能です。

      ただ実際には、全員が辞退したら、予定価格が厳しすぎたことにもなるので、予定価格を見直す方が良いと思います。

  5. 石○さん より:

    見積もり合わせで同額と
    なった場合、その後の処理は入札と同じ、くじ方式でしょうか。

    • 矢野雅彦 管理人 より:

      コメントありがとうございます。

      見積もり合わせで同額の場合は、入札と異なり、くじ引きなどが会計法令では定めてありません。

      一般的には、再度、見積書を提出してもらいます。次のように電話やメールで、同額の会社へ依頼することになります。(挨拶部分は、省略します。)

      「先日提出していただいた見積書により、見積もり合わせを行ったところ、同額の他社の見積書がありました。そこで再度値引きを検討していただけるなら、見積書の提出を 月 日までにお願いできますでしょうか。

      また、再び同額になった場合は、当方がくじ引きを行い、契約の相手方を決定する予定です。」

      通常は、2回目の見積書で差が出ると思いますが、もし再び同額であれば、あみだくじのような、紙に残る形で決めることになると思います。あみだくじであれば、他の係の人に横線を入れてもらい公平に選べます。

      なお再度、見積書を提出してもらうときは、他社の会社名は秘密にします。ライバル会社を教えてしまうと、談合などの不正を招くリスクが発生します。

  6. 匿名希望 より:

    いつも大変参考に活用させていただいております。

    誠に恐縮ながら一点質問がございます。

    契約事務を行う中で、見積合わせを行わなければいけない購入物の契約があり複数社(5社)見積書の依頼をしたのですが、かなり特殊な機材の部品で1社以外すべてお断りされてしまいました。
    根拠資料として1社の見積書しかない状態なのですが、この場合お断りされた社から辞退届等をもらい選定することは有効となりえますでしょうか。もしくは、入札に移行せざるを得ない状況でしょうか。

    執筆等ご多忙かと思いますが、回答いただけますと幸いです。
    よろしくお願いします。

    • 矢野雅彦 管理人 より:

      管理人です、コメントありがとうございました。

      契約予定金額が不明なので、少額随意契約を前提に回答します。

      少額随意契約で、複数社の見積もりを取り寄せようとしたところ、結果的に1社のみでも問題ありません。他社の見積もりが取れなかった理由を聞き取りメモしておくことで、少額随意契約が可能です。見積もりが取れなかった理由のわかるメモがあるなら、辞退届けは必要ありません。

      また、見積もりを提出できない理由が特殊な仕様によるものであり、1社としか契約できないことが4社からの聞き取りで明白であれば、選定理由書を作成して、競争性のない随意契約も可能だと思います。

      もし、少額随意契約ができない高額な契約であれば、競争入札を実施した方が安全です。結果的に1社であっても、一般競争入札であれば問題ありません。

      • 匿名希望 より:

        投稿したものです。回答いただきありがとうございます。
        ご助言いただいた内容で解決しそうです。大変参考になりました。ありがとうございました。

        • 匿名希望 より:

          いつも参考にさせていただいております。
          少額随意契約のために、3社に見積書の依頼をいましたが、そのうちのA社から、仕様書の一部について、そもそも当社で対応できない内容であるとの申し出がありました。先に参考見積をいただいており、それをよく確認すれば、確かに対応できないのは分かるので、当方の確認不足ではあります。(契約の内容ではさほど重要度は高くない部分ですが、仕様書に必須としてしまいました。)ただし、A社からは、事前に対応不可の説明はありませんでした。
          他の2社は対応可能であるのは確認済ですが、今から仕様書の訂正をし、3社に通知することに問題はないでしょか?
          上記が問題ありの場合、仕様書に不備があったとして、見積り合わせを一度中止し、仕様書を修正し、改めて見積り合わせを実施することは可能でしょうか?

          • 矢野雅彦 管理人 より:

            コメントありがとうございます。

            A社が対応できない仕様書でも、複数社の価格競争が可能であれば問題ありません。A社が自ら辞退したこと(対応できない内容)をメモしておけば大丈夫です。あるいはA社とは別の会社から新たに見積書を取って3社で比較する方法もあります。

            ただ、もしA社が、積極的に参加したい意向(契約したいので仕様を変更できないかという要望など)があるなら、3社が参加できる仕様書へ変更し、再度、見積もり合わせを行った方が良いです。

            見積もり合わせを中止して、最初からやり直しても、見積期間(見積書提出期限)を十分に確保すれば問題ありません。

            注意したい点として、仕様書を修正する場合は、全社に対して対応可能か、事前に十分ヒアリングしましょう。

  7. 匿名希望 より:

    いつも拝見しております。

    見積もり合わせについて、お教えいただきたいことがあります。

    物品を購入することになり、手順どおり「見積もり合わせ伺い」の決裁をとり、「見積もり合わせ」を実施し、数社から見積書を提出いただきました。

    「見積もり合わせ結果」の決裁を回したところ、上司から、金額が高額すぎるので、購入をとりやめ、修理するように、と指示がありました。

    見積もり合わせを実施後に、こちらの都合で取りやめることは可能でしょうか。

    よろしくお願いいたします。

    • 矢野雅彦 管理人 より:

      管理人です、コメントありがとうございました。

      「見積もり合わせ」の途中で、取り止めることは、問題ありません。契約成立前であれば、取り止め可能です。

      「見積もり合わせ」の結果、正式に発注(契約成立)した後は、相手方が了解してくれなければ契約違反になります。場合によっては違約金や損害賠償金を請求される可能性があります。

      正式に発注した後に取り止める場合は、責任ある立場の人(部長や課長クラス)から、理由を説明し申し入れる方がトラブルを防げます。

      そのため、正式に発注する前に、上司の了解(口頭あるいは決裁)が必要です。

      • 匿名希望 より:

        ご回答ありがとうございました。発注前のため、上司に決裁をお願いしてみます。

        契約、発注とそれぞれ段階によって、対応が変わるんですね。
        大変勉強になりました。
        ありがとうございます。

      • 匿名希望 より:

        丁寧なご回答ありがとうございます。
        見積り合わせをやり直す場合、仕様書の訂正の通知及び改正後の仕様書の送付(提出期限は送付から3週間後にします)をすれば、手続的に問題ないでしょか?
        たびたびの質問で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

  8. 匿名希望 より:

    いつも参考に拝見しております。

    細かいところ質問ですが、見積合わせのために複数社に見積もりを依頼したときに、とある一社から「契約はできないけど、見積書を出すことならできる」といわれたとき、その見積書を比較検討の資料として使うことは契約担当者としては問題ないのでしょうか。

    例えばパソコン購入について、A社とB社に見積書を依頼し、A社は見積書も出せて契約もできるが、B社は見積もりはできるが繁忙期の関係で契約はできないとします。B社には見積書だけ依頼し、A社と比較して結果としてA社の見積書が安かった場合に、B社との見積書の比較でA社と契約が結べるか、といったものです。

    ご回答いただけますと幸いです。

    • 矢野雅彦 矢野 雅彦 より:

      管理人です。コメントありがとうございました。

      先に回答から言いますと、「問題あり」です。

      まず、営業担当者が「契約はできないけど、見積書を出すことならできる」と言ったとすれば、かなり危ない会社、危ない営業担当者です。注意した方が良いです。平気で虚偽の書類を作ってしまう営業担当者です。(私なら、以後、つきあわないようにします。将来的に犯罪に巻き込まれるリスクが高いです。本サイトで勉強して欲しいものです。)

      そもそも「見積書」は、「契約の申し込み」として提出するものです。「この金額なら契約できます。」ということを証明する書類です。受け取った契約担当者が、見積金額を確認して「これでお願いします。」と依頼(承諾)すれば、契約が有効に成立します。

      見積合わせのために依頼したのに「契約できない」のであれば、見積書を提出すべきではありません。提出辞退すべきです。あるいは、見積書の金額欄に「今回は業務多忙につき、お取り扱いできません」と記載して提出するべきです。

      例えば、契約する気がないのに安価な金額の見積書を提出し、契約担当者が見積合わせした結果、正式に注文したときに断られたら、大問題です。虚偽の書類を提出し、官公庁の業務を妨害したことになります。正式な「取引停止」処分に該当するほど大きな問題です。

      他の会社へ見積書を依頼する方が安全です。

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