開札会場の設営方法です。官公庁が実施する入札は、公平・公正でなければなりません。開札当日に会場までの道順がわからず迷子になったりすれば、大きなトラブルになります。開札会場の設営方法をわかりやすく解説します。
開札会場の選び方
開札会場では、各社から提出された入札書の開札と再度入札を行います。官公庁が実施する入札は、会議室を開札会場として使うことが多いです。開札日の前日や、開始時刻の1時間前までに会場の設営を行います。開札会場の大きさは、参加が見込まれる会社数に応じて判断します。例えば入札参加者が 5 名のときは、10名以上がゆったり座れる会場を選びます。
通常、開札の前に入札参加者数を把握できます。事前に公開した入札公告を見て来訪した参加希望者に対して、名刺と引き換えに入札説明書を配布します。参加希望者の名刺を事前にもらうのは、入札日時までに仕様書の変更があったときに連絡するためです。仕様書が変更になると、入札金額も変わる可能性があります。当初の入札関係書類や仕様書を修正したり、補足説明するときは、公平性の観点から参加希望者全員へ連絡します。そのため事前に入札参加者数が把握できるのです。ただし談合を防止するために入札参加希望者は公表しません。ライバル会社へも教えません。
WEB上で入札説明書や仕様書をダウンロードして配布する場合は、事前に入札参加者数を把握できません。特殊な契約内容で参加希望者が少ないときに限定した方が安全です。2020年から導入され始めた電子入札では、電子メールの登録を必須にしています。
開札会場の座席配置
1回目の開札で、全員の入札金額が予定価格を超えて落札者がいないときは再度入札になります。入札書に金額を書くことになりますので、隣の人の書類が見えない配置にします。他社の入札金額が見えない距離を保つ必要があります。入学試験などのように、座席は 1 人分以上空けて着席してもらいます。
座席の並べ方は、授業形式です。
会場の前方中央に、入札を実施する官公庁側関係者の席を設けて、机の上に入札箱を置きます。そして向かい合うように入札参加者の机と椅子を並べます。授業で先生と生徒が並ぶような対面形式です。入札参加見込者数と予備の数を含めて机と椅子を並べます。会場内の設営を終えたら、次に会場までの案内表示です。
入札箱の代わりに書類決裁用の箱などを利用することも多いです。入札箱は、入札書が入れば問題ないです。
開札会場であることの表示
開札会場の入口ドア付近に「開札会場」の掲示をします。
A4の紙に入札件名(契約の内容)と開札日時を記載し、立看板へ貼って置いたり、入口ドアにセロテープで貼り付けます。
開札会場の表示例
縦書きでも横書きでも自由です。見やすいように見栄え良く作成します。
A4くらいの用紙に拡大文字でプリントアウトします。
開札会場
入札件名:◯◯◯◯ 一式
開札日時:平成24年11月1日(木)14:30~
場所 ◯◯省◯◯号館◯◯階◯◯号室
開札会場までの道順を案内
会場の設営が終わったら、開札会場までの道順に沿って案内板を設置します。正面玄関から開札会場までの道案内です。この案内板を設置し忘れると、会場がわからず迷子になってしまう参加者が発生し大きなトラブルになります。
万が一、開始時刻までに会場に入れないと、かなりややこしい事態に陥ります。特にライバル企業が多い入札の場合は、迷子になって入札に参加できなかった会社からクレームがでます。また逆に、遅刻は無効にすべきと、早く到着した会社からクレームがでることもあります。
意図的に開札会場をわかりづらくして、特定の企業を落札させたとクレームがあると、案内表示を忘れたときは説明できません。入札自体を中止し、参加者へ謝罪し最初からやり直すことになります。かなり痛い事態になります。
そのため守衛さんにも案内をお願いし、正面玄関から入って方向を変える場所に矢印の案内を配置します。矢印案内は、開札会場 ⇒ のように設置します。会場までの順路に沿って、立て看板を置いたり廊下の壁に貼ります。
そしてスマホやデジカメで、案内を掲示した写真画像を残しておくのが安全です。大きな契約金額の入札や、参加者の多い入札では、会場設営の様子をデジカメで撮影しておきます。後日トラブルになったときの貴重な証拠になります。ただし開札当日に撮影するときは入札参加者が映らないようにします。理由もなく撮影することは失礼です。肖像権の侵害にもなりますので、参加者を撮影することは控えましょう。
コメント