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コンプライアンスのために虚偽の書類を作る?誰を守ろうとするのか?

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2002年 ハワイ
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コンプライアンスについての解説です。コンプライアンスのために見せかけの書類を作るのは本末転倒です。上司からの命令に対しても正しい判断が必要です。間違った命令であれば従う必要はありません。上層部こそコンプライアンスを守る正しい姿勢が必要です。

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コンプライアンスを理解できない人たち

 

2016年4月、大手自動車メーカーによる燃費計測データの不正がテレビで報道されました。25年以上前から不正が行われていたとのことです。この自動車メーカーは、たしか2000年7月にもリコール隠しで問題になりました。当時の教訓が活かされなかったわけです。

 

こうなると会社の社風として、典型的な利益至上主義による隠蔽体質が蔓延していることが疑われます。正しい決断や、善悪を判断できる社員がいないのかとも思ってしまいます。(実際は、ほとんどの社員は真面目なはずですが。)

 

そもそもコンプライアンスは、嘘をつく人が存在する組織では、成り立ちません。平気で嘘をつく人は、法令や社内ルールに合わせるために、事実と異なる書類を平然と作ってしまいます。書類上だけ正当に見せかける虚偽の行為を、後ろめたさを感じずに行います。このような一部の人たちは、本当のコンプライアンスを理解できません。事実と異なる嘘の行為に対して、何も違和感を感じない人たちには、そもそもがコンプライアンスを理解することさえ無理です。

 

子供の頃に、ウソをついてはいけません、と教えられます。ウソを言わないことは、人としての最低限のマナーです。コンプライアンス以前の、人としての問題と言えるかもしれません。(ただ、ウソをつかないと相手を深く傷つけるなどの、相手を守るためのウソは別です。嘘も方便です。この違いがわからないとヤバイですね。)

 

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間違ったコンプライアンスの考え方

 

コンプライアンスは法令遵守です。社会のルールを守って活動することです。善悪を正しく判断できることが大前提です。

 

今回の自動車メーカーの不正問題以外にも、財務データの虚偽記載や損失隠しなど、大手企業による不正行為が社会問題になっています。民間企業だけでなく、国家公務員の中にも国会で虚偽答弁を平気でする人がいます。どのケースにも共通している残念な考え方があります。

 

自社(自分)の利益を最優先する。

 

自分のために、手段を選ばずにウソをつくのです。

 

そして不正を隠そうとするときの、残念な考え方は次のとおりです。

 

事実と異なっていても、虚偽の書類さえ整えておけばいい、書類上で矛盾点さえなければ問題ない。書類上は法令に違反してないのだから。

 

これらのコンプライアンス違反は、ほとんどの場合、上層部からの命令(あるいは暗黙の指示)で行われます。ライバル会社に負けないように、自社が有利となるデータを求められます。上層部からの無理難題に従うという慣行や社風から、悲劇のコンプライアンス違反が生まれます。

 

起業したばかりの顧客が少ない会社なら、競争の中で生き抜くために、多少の誇大広告もやむを得ません。しかし数万人もの顧客を持つ大企業は、もはや公的組織と同じです。社員一人一人が、毅然とした公正な判断をしなければいけません。

 

当然ながら、大企業や公的組織の上層部は、事実と異なる虚偽は許さない、社会的に許されないという毅然とした姿勢が必要です。

 

いろいろな不正事件の根底にある考え方は、書類上で違反がないよう整えればごまかせる、見せかけの書類が矛盾してなければ問題ないという残念な考え方です。コンプライアンス、法令遵守の意味を根本的に間違って理解してます。見せかけのコンプライアンスのために、書類を偽造してはいけません。コンプライアンスのために虚偽の書類を作るのは、言語道断です。

 

ルールに違反してないか事実を正確に捉え、誰もが毅然と公正に判断し、悪いところを正すのが本当のコンプライアンスです。

 

また、近年(2019年)では、コンプライアンスの意味の中に、法令順守だけでなく、倫理観や道徳観まで含むようになっています。多くの人が、それはまずいだろと感じることも批判されてしまいます。

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