官公庁の予算が国会や議会で承認が必要な理由、予算書の作り方

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予算
2020年11月 きぬ川温泉
この記事は約7分で読めます。

なぜ国会や議会で官公庁の予算を承認するのでしょう?国の場合は国会、地方自治体の場合はそれぞれの議会で予算の承認が必要です。予算が承認されなければ事業を実施できません。根拠法令や、実際に予算書を作るときの手順です。

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官公庁の予算は、なぜ承認手続きが必要か

 

官公庁の運営財源は国民の税金です。税金は公平・公正に使わなければなりません。特定の民間企業へ利益を誘導するような不公平な使い方は許されません。業者との癒着や談合などは違法行為です。

 

そして何より重要なことは「国民に必要なサービス」へ税金を使うことです。

 

そのため官公庁が事業を実施するために必要な予算を、国会や議会で事前にチェックするのです。

 

各省庁などの国の組織であれば国会の承認が必要です。地方自治体は、それぞれの地方議会において承認が必要です。

 

予算の承認が必要になることは、憲法(国)、地方自治法(地方自治体)で定められています。

憲法

第八十三条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

第九十二条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

 

地方自治法
第二百十一条 普通地方公共団体の長は、毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。

 

国会や議会で承認するのは、選挙によって選ばれた議員が、国民を代表しているからです。国民の声を(聞いて)代表して議論するわけです。(しかし最近(2021年6月)の議員は、新型コロナウィルスの感染が続く中でオリンピックを開催するなど、国民の声を無視することが多くなり残念ですが・・民主主義が壊れかけているのかも・・)

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予算の承認に必要な説明資料

 

官公庁が実施する事業は、とても複雑で種類が多いです。多くの国民に必要なサービスを提供するために対象範囲が広いのです。毎日、ものすごい量の事業を実施しています。官公庁のサービスを使わずに生活することは不可能です。(道路や歩道、信号機も官公庁が設置しています。)

 

国会や議会へ提出する予算資料は、官公庁が実施する「すべての事業に必要な費用」を集計して提出します。金額については、あらゆる内容を網羅します。しかし実際に審議するときは、予算の中から特定の部分だけを抜き出して議論することになります。すべての予算を議論する時間はありません。

 

議論の対象になる主な予算は次のとおりです。

新しく計上された「新規予算

昨年度と比較して「大幅に増額となった予算

法律や規則で議論することが定められている予算

 

つまり議論の対象になる予算は、ごく一部です。すべての予算を議論の対象にしていたら半年以上かかります。議論ばかりしていて予算が成立しなくなります。

 

光熱水やインターネット料金などの毎年必要になる予算(経常予算)は、過去に認められている(すでに承認されている)予算です。明らかに必要な予算は、議論の対象から除外(省略)するわけです。

 

ただ予算の審議は、それぞれ独自の慣習で行っています。具体的な予算の内容や審議事項については、統一されたルールが存在しません。財政法や地方自治法では、おおかまなルールを定めているだけです。

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予算はどのように作られるのか

 

国会や議会に提出する予算は、多くの場合、次のように作成します。

 

最初に経常予算(毎年度必要になる予算)を作成します。

 

ほとんどの官公庁では財務会計システムなど、コンピューターを使って会計処理が行われています。前年度に使用した金額(執行額)を集計します。その集計金額を基に予算額を作成します。

 

例えば前年度の執行額が1.990万円だとすれば、2000万円として予算要求額を設定します。全体的に節約するのであれば、1.900万円とします。この微調整は、予算担当者の判断になります。

 

経常予算は、過去の執行額(支払った費用)を集計して算出します。

 

次に(あるいは経常予算の作成と平行して)新しい事業費を「新規予算」として見積もります。

 

事業費の積算項目は、主に次のとおりです。

 

人件費
事業を実施するために必要な職員(事業担当者)の人件費、法定福利費も含めて計上します。

 

設備購入費
事業に必要な備品購入費です。参考見積書を取り寄せて計上します。

 

消耗品費
事務部門で使う文具など、事務用消耗品です。

 

外注経費
外部の専門会社へ、業務の一部分を委託する場合に必要です。参考見積書を取り寄せて計上します。

 

新規予算を計上するときは、必要理由を一緒にメモしておきます。積算資料等の備考欄あるいは余白部分に、「なぜこの費用が必要なのか」わかりやすく簡潔に記載しておきます。必要理由は、多くの人が納得できるように記載します。他人が読んでも「なるほど、それなら必要ですね。」と納得できなければなりません。なくても困らない費用は計上しません。

 

国会や議会で議論の対象になるのは、この新規予算が中心になります。新しく必要になる費用は、細かい説明資料を準備することになります。

なぜこの事業が必要か

この事業を行うために、どのような費用が必要になるのか

これらを説明する資料になります。

 

通常、国会や議会で審議する前に、担当議員たちへ事前にレクチャー(説明)します。予算額の大きい事業になると、審議用に想定問答を用意することもあります。

 

法律や規則などで審議対象になっている予算項目は、多くの場合、形式的に議論するだけです。ただ過去になかった「新しい項目を計上するとき」は別途詳細な説明が必要になります。

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予算と決算とは

 

予算は、これから実施する将来の費用を集計するものです。決算は、過去に支払った費用を集計したものです。予算は見込額なので、千円単位や百万円単位などで記載することが多いです。決算額は実際に使った金額です。多くの場合、円単位まで記載されます。(ただ予算と決算を比較する表では、見やすくするために単位を揃えます。)

 

決算額は、予算額と一致しません。一致しないのが普通です。もし一致しているとすれば虚偽記載の可能性があります。

 

普通に考えて、将来のことなど誰も予測できません。特に人件費が含まれている予算では、予算額と決算額の金額は一致しません。もし円単位まで一致した予算額と決算額があるとすれば、架空の数値を計上している(虚偽の数値)と思った方が良いでしょう。

 

つまり予算額と決算額は、必ず乖離します。これは乖離した差額について追求してしまうと、「虚偽記載を強要する」ことを意味します。

 

予算額と決算額を対比するときは、その項目の差額に着目するのではなく、差額がどのように使われたかに注目すべきです。一般的に決算額は、必要なければ減るし、必要があれば増えるものです。決算額は、事業の結果を客観的に表す数値です。

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まとめ 予算の正しい審議

 

官公庁の予算は、国民の税金を使うため、国会や議会での承認が必要です。民間企業のように、自由に利益を追求し獲得することはできません。民間企業であれば、売上を伸ばして利益を増やし、組織や事業を自由に拡大することができます。しかし官公庁では、自分たちの判断で利益を増やし、組織を拡大させることは認められていません。国民の税金を好き勝手に使われては困るわけです。

 

国会や議会で議論の対象になる予算は、新規事業の予算、前年度に比べて大幅に増減があった予算のみです。

 

通常は、経常予算については議論の対象になりません。

 

予算を審議するときは、新規予算の必要性、特に費用対効果について検討します。それだけの費用をかける必要があるのか、国民のためになる(必要な)事業なのかを判断します。

 

逆に言えば、費用対効果の高い事業、光熱水や電話、インターネット料金などの経常経費については、議論している時間自体が無駄になってしまいます。明らかに必要な経費を議論しても無意味です。どの予算を議論すべきかは、「国民に必要なのか疑義が生じる部分」についてのみ、国民の視点から検討することになります。

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