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産学連携を具体的に知りたい、共同研究、受託研究、寄付講座とは

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2002年 ハワイ
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大学の研究成果を自社製品へ取り入れる方法です。ライバルに勝つためには、科学的な証明が効果的です。顧客は、製品のほんとの効果が知りたいのです。大学の教授とコンタクトを取る方法など、産学連携の進め方について解説します。

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自社製品へ研究成果を取り入れるメリット

 

自社の商品やサービスに、大学の研究成果を取り入れたいと思いませんか?

 

製品を宣伝するときに、大学の教授の研究成果を活用できれば、ライバル商品よりも魅力的になります。本当に効果があることを客観的に証明することができます。専門家によるデータに基づけば信頼性が各段に上がります。

 

研究成果のデータを製品開発に取り入れたいとき、あるいは国立大学の教授から技術指導を受けたいとき、どのように進めるのか解説します。

 

大学の教授と面識がないと、どのようにコンタクトするのか悩むと思います。そんな時に役に立つ方法です。私は実際に東京大学の産学連携本部で働いていました。実務経験をもとに解説します。

 

東大教授とコンタクトを取る前に、知っておきたいことがあります。東大の教授たちが、毎日どのような生活を送っているかです。

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東大の教授はとても多忙

 

まず東大の教授は、大きく理系と文系の二つに区分されます。所属する部局や研究テーマによって別れています。理系の教授が所属する部局は、医学部、工学部、理学部、農学部、薬学部です。文系は、法学部、経済学部、文学部、教養学部、教育学部です。この他に研究所があります。

 

東大教授は、学生の授業を担当しています。学部生や大学院生に教えています。自分の研究を行いながら授業を受け持っています。講義を行う前は準備も大変です。授業がないときも多忙です。自分の研究を進めなくてはなりません。教授は研究者でもあります。

 

文系の教授は、授業がない日は、大学の教授室か自宅で研究を行っています。理系の教授は、自分の教授室の外に、研究室や実験室を持っています。理系の研究は、実験によりデータを収集し解析します。実験で収集するデータは、24時間連続のこともあります。また数千万円もする高額な研究用設備でないと解析できないデータもあります。電子顕微鏡やDNA解析装置などを使う研究も自宅では不可能です。理系の研究者は、自宅では研究ができず、大学の研究室で過ごすことが多いです。24時間連続してデータを収集したり、地道な実験を繰り返すようなときには泊まることもあります。

 

また教授になると、政府の委員を依頼されることも多くなります。政府からの依頼に基づき、各種の委員会や審議会、諮問委員会などに参加しています。

 

つまり東大教授は、授業を受け持ち、自分の研究を行い、政府が開催する委員会などへ参加しています。ほとんどの教授たちは、食事もゆっくりできないほど時間に追われています。土日などの休日も、自宅で研究していたり、研究会やセミナーに参加しています。24 時間 365 日すべて教育や研究のことを考えています。ものすごく多忙な東大教授へ面会を求めるのは、実際、かなり難しいです。

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文系と理系の教授の違いとは

 

文系の教授は、教授室のみで研究室は持っていません。研究室がないので秘書もいないことが多いです。2020年現在は、電子メールで問い合わせすることが多いです。ただ件名や発信者名だけを見て、知らない人や興味のない内容であればスルーされることがほとんどです。東大教授への面会要望はかなり多いです。テレビや新聞、雑誌社などからコメントや意見を求められることがたくさんあります。

 

理系の教授は、ほとんどが研究室を持っています。研究室には准教授や助教、各種の研究員が在籍しています。教授は、研究室のメンバーを統括しています。また研究室には秘書がいます。教授へのコンタクトは秘書が対応します。秘書を通さないで教授へ連絡することは不可能です。秘書がスケジュールを管理しているので、教授自身は面会可能かわからないのです。理系の教授宛に電子メールを送ると、同時に秘書へもメールが配信されています。重要でないと思える内容については、秘書が単独で返信することも多いです。

 

このような状況から、東大の教授へ面会を求めるのは、かなりハードルが高いです。しかし東大教授が、自分から興味を持てば、すぐに連絡を取ることができます。では東大教授は、何に関心があって、何に興味を持つのでしょう。

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教授の関心が教育と研究にある理由

 

大学の本務は学生を教えることです。優秀な学生を社会へ送り出すことです。一流企業への就職など、少しでも学生に有利になる就職情報や、就職先の待遇については大きな関心があります。立派な社会人として送り出すための教育が、大学の本来の目的です。

 

そして教育と同じように重要なのが研究です。特に自分の研究です。教授は研究者でもあります。教育と研究は、相互に補完し合っています。研究が進展すれば、よりよい教育が可能になります。教育効果を高めるために、教授たちは自分の研究を深めようとします。研究者としての仕事は、研究成果を論文としてまとめ発表することです。

 

東大の教授は、さまざまな研究分野で活躍しています。1人の教授が所属する学会は 5 つくらいです。研究成果を論文として発表し、学会で認められれば研究者としての地位も高まります。社会に役立つ論文であれば引用数が増え実績として認められます。論文の引用数が増えれば、ノーベル賞など世界的に認められる研究者になれる可能性もあります。自分の研究が世界に認められ、ノーベル賞を獲得できれば最高でしょう。これ以上の栄誉はありません。

 

つまり東大の教授たちは自分の研究に力を入れたいと考えています。しかし研究に充てられる時間が少なすぎるのです。また2004年に国立大学が法人化されてから、運営費交付金が毎年削減されてきました。2020年現在では、当初予算で配分される運営費交付金の中に研究費はありません。

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研究費があれば研究が進展するのか

 

ほとんどの研究は、研究費が潤沢にあれば効率的に進められます。研究を補助できる人を雇用してデータ解析を分担したり、高額な設備を購入できればデータを短時間で処理できます。時間の少ない研究者にとっては、潤沢な研究費で時間を節約できるのです。国立大学が法人化されて基盤的な研究費がなくなり、自分の研究を進めるためには競争的資金を獲得しなければなりません。科学研究費補助金に代表される政府系の競争的資金は、公募手続きによって研究費を獲得します。忙しい合間を縫って、公募資料を作成し申請します。しかし公募型の研究費は、獲得できる保証はなく極めて不安定です。獲得できたとしても 3 年から 5 年間しか保証されません。つまり多くの教授が研究費を求めています。

 

例えば東京大学では、競争的資金以外の研究費を獲得する方法は、寄附金、共同研究費、受託研究費です。競争的資金を含めて外部資金と呼ばれています。東大教授が興味を持つのは、これらの外部資金といわれる研究費です。

 

東京大学に限らず、多くの国立大学では産学連携が推進されています。1995(平成7)年から、政府の政策として国立大学の研究成果を社会へ還元することが求められています。研究成果を産業の発展に結び付けようと計画されました。産学連携に関するセミナーが頻繁に開催されるようになってきました。

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産学連携セミナーへ参加する

 

東大教授など、国立大学の教授はものすごく多忙です。そして研究費も少ない中で、色々工夫しながら研究しています。教育や研究に関係ないメールや電話であれば、当然ながらスルーします。そんな中でも、東大教授の目に止まる方法をいくつか紹介します。

 

最も簡単な方法は、国立大学が主催するセミナーへ参加することです。多くのセミナーが無料で開催されています。事前申込制が多いですが、担当教授だけでなく、教授に関係ある人たちと面識を持つことができます。特に秘書や事務関係者との交流も有意義です。ほとんどのセミナーでは、後半に質疑応答があります。講義を聞いていて疑問に思ったことを質問する機会があります。教授と直接会話ができます。教授の方から見ても、興味深い質問や面白い質問であれば記憶に残ります。セミナーによっては、その後に開催される案内メールを発信するため、電子メールの登録ができるところもあります。

 

またセミナーが終わった後は、夕方から懇親会や交流会が開催されることもあります。懇親会は有料が多いですが、五千円ぐらいで、お酒を飲みながら東大教授たちと交流することができます。各大学で開催している研究会やセミナーは、必ず参加資格が書いてあります。参加条件が特に限定されていなければ積極的に参加してみましょう。

 

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寄附金を申し入れる

 

セミナーの次に効果的な方法は寄附金です。特定の教授に対して寄附を申し込むのです。10万円とか20万円でも大丈夫です。寄附金額については、最低限いくらという基準はありません。10万円でも20万円でも可能です。ただ、あまり小さい金額では事務手続きの方が大変になってしまい、興味を持ってもらえません。一般的な寄附金額は 30 万円以上です。 50 万円あるいは 100 万円であれば、かなり有利になります。

 

大手企業になると関係性を維持するために、毎年、一定額を寄附することも多いです。寄附金なので見返りは期待できません。しかし関係性を維持でき、寄付申込書を手渡すときに面会して、研究に関する情報を得ることができるので色々なメリットがあります。寄附手続きを担当する秘書や事務担当者とも知り合いになれます。

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共同研究を申し入れる

 

社内に研究開発部門があるなら、あるいは研究者が在籍するのであれば共同研究も可能です。博士号を持つ研究者なら、かなり有力な手法です。共同研究は、大学と民間企業の研究者が一緒に研究するものです。大学の研究室へ民間企業の研究者を派遣することも可能です。ただ派遣するときは研究料が必要になります。いわゆる授業料に相当する費用です。研究者は派遣せずに、それぞれで分担して研究することもあります。国立大学側の研究者と、民間企業側の研究者とで、定期的に研究会などを開催し研究成果を交換します。

 

共同研究費については、国立大学で実施する研究費をすべて民間企業側が負担する場合と、何も負担しない場合があります。国立大学と民間企業が、それぞれで自分たちの研究費を負担する分担型という共同研究があります。分担型であれば、民間企業の負担額はゼロです。しかし分担型の共同研究は少ないです。国立大学の研究者からすると、自分で研究費を負担してまで、一緒に共同研究したいと思うほどの有名な会社である場合だけです。一般的には国立大学が実施する研究費を民間企業が負担することが多いです。

 

共同研究費として多いのは 50 万円から 300 万円くらいです。ときどき 1,000 万円近い共同研究費もありますが、そこまで資金に余裕があるなら寄附講座や社会連携講座を検討すべきです。寄附講座等は、学生教育を公式に支援することになります。大学の授業を支援していることになるので、社会貢献として強烈なアピールになります。

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受託研究を申し入れる

 

受託研究は、民間企業が国立大学の教授に対して研究を依頼することです。民間企業では設備やデータが不足し研究できないときに依頼します。受託研究に必要な研究費は、すべて民間企業側が負担します。

 

国立大学は営利企業ではないため、特定の商品の宣伝はできません。しかし商品に使われている成分や材料などの効果を科学的に検証する研究は可能です。教授の専門分野を進展させる研究テーマを依頼するなら問題ありません。研究者としては、自分の研究テーマに合致し研究費を補填してもらえるなら興味を持ちます。

 

受託研究に近い制度として受託試験もあります。何かの試験を依頼するものです。例えば、超高圧下の耐性試験とか、高温など特殊な環境での試験などです。圧力や温度などの条件を変える設備が大学には多数あります。受託研究費の金額は、 100 万円から 300 万円ぐらいが多いです。

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寄附講座、社会連携講座の設置

 

民間企業が運営経費を負担して、国立大学が講座を開設するものです。産学連携の中では一番多額の資金を必要としハードルが高いです。3年から5年の期間で講座を維持する費用を負担します。

 

例えば、東京大学の社会連携講座であれば、共同研究を前提として、年間 2,000 万円、最低でも 3 年以上です。総額 6,000 万円以上の資金が必要になります。研究内容によっては、 1 億円近くの講座設置費用になることもあります。

 

国立大学で行う教育の中で講座を開設できるため、その効果は絶大です。大学によっては講座名に企業名を使うことも可能なので宣伝効果も抜群です。学生の就職先としても有利になります。資金に余裕があるなら講座を設置して、教育と研究の両面から教授たちと一緒に活動できます。

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研究者や研究テーマを見つける方法

 

各国立大学には、産学連携あるいは産官学連携の窓口が設置されています。問い合わせ用のサイトがあれば、遠慮なく質問ができます。

 

また多くの大学で研究テーマを集めた研究シーズ集が公開されています。商品化や実用化に役立ちそうな研究成果が一覧として集められています。それらを参考にするのも効率的です。参考に、主な大学の一覧を記載します。

 

東京大学 産学協創推進本部

東京大学 産学協創推進本部

 

京都大学産官学連携本部

共同研究パートナー 募集サイト(この指とまれ!)
京都大学と一緒に研究していただけるパートナーを募集しております。ご関心をお持ちいただける情報がございましたら、お問い合わせをお待ちしております。

 

大阪大学

http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/seeds?m=seeds-home&l=ja&s=1&sc=

 

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特許等出願費用について

 

理工系の研究成果は、特許を取得できる場合が多いです。国の政策として産学連携が始まったときから、国立大学が積極的に特許を取得することが推進されてきました。しかし国立大学は営利企業ではないため、特許に基づく製品化は不可能です。製品開発は実施できません。

 

そのため特許の出願費用や維持費用は民間企業に負担してもらい、売上に応じたロイヤリティーを大学側が受け取るのが一般的です。ただ特許は、取得できるかわからないことが多いです。そのため実際に研究成果が特許として申請できそうな段階で検討することができます。先に共同研究を開始して、特許が取れそうな研究が生まれたときに検討できます。

 

産学連携制度は比較的新しいので、各大学とも模索中です。遠慮なく相談することが良い結果を生みます。なお本サイトでも相談は受け付けています。

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