事務とはどのような仕事なのでしょうか。なぜ事務手続きが必要になるのでしょうか。普段、事務という言葉をよく耳にしますが、改めて考えてみると漠然としていてよくわかりません。そこで事務についてわかりやすく簡単に説明します。
そもそも事務とは、なぜ事務手続きが必要になるのか
事務とは、第三者に対して処理した内容を証明するための書類を作成することです。民間企業では契約代金の支払いや、税金に関する処理、財務諸表の作成、社員の人事や給与関係手続きなどがあります。書類を作成し、整理・保存しておくことです。
官公庁の事務手続きも、民間企業と似ていますが大きく異なる部分があります。官公庁の事務手続きは、法律や規則などの法令に基づきます。事務手続きのすべてが細かく法令で定められているのです。
税金を使う官公庁では、法令に基づく事務処理のみが「適正な事務手続き」です。そして官公庁の事務手続きは、毎年、外部からチェックを受けます。国民の税金が正しく使われているかチェックされます。会計検査院やさまざまな外部からの検査が行われています。大きな組織になると、一般国民からの情報公開請求も月に数回あります。外部の人への説明責任として書類を整理保存しなければなりません。外部からの要求に対して、処理した内容が正当であることを証明できるように事務手続きが必要なのです。
事務はどのように行うのか
官公庁の事務は、法令に基づき処理します。法律、政令、省令、条例、各組織の規則を理解しながら書類を作成し、判断しなければなりません。法令を理解していないと正しい処理ができません。
法令に基づいて書類を作成し、決裁を受けてから仕事を進めます。組織として何かの意思決定を行うときは、必ず決裁が必要です。契約書を作成したり、契約代金を支払うときなどは決裁が必須です。決裁は、担当係員が書類を作成し、課長や部長などの責任者までの了解を得ることです。重要な案件になると1件の決裁を終えるまでに1年くらいかかることもあります。また定型的な契約代金の支払手続きなどの決裁は、1日に数百件処理することあります。決裁手続きは内容により様々です。
2021年現在は、多くの業務がシステム化されています。財務システム、給与システム、人事システムなどを動かしながら事務処理を進めます。パソコンを使いながら書類を作ったり集めたりすることがほとんどです。
事務手続きを進めるときの注意点
官公庁の事務手続きは、担当者個人の判断ではなく、組織の判断として処理します。事務の仕事の中で注意したいのは、わからなかったり、判断に迷ったときです。
法令が十分に理解できなかったり、自分自身でおかしいなと感じながら事務手続きを進めると大きなトラブルになってしまうことがあります。 わからなかったり、判断に迷ったときは上司に相談することが最も重要です。
社会人の常識として、「ほうれんそう」という言葉があります。報告、連絡、相談は事務にも当てはまります。わからない仕事にぶつかったときは、自分で勉強して調べることも大切ですが、先輩や上司に相談することが何より重要です。わからないことをそのままにしない、ここが一番注意したい部分です。
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