簿記3級は、経理や会計の基本を身につけたい方にとって最初の一歩となる資格です。民間企業だけでなく、公務員の会計実務にも役立ちます。
これから勉強を始めたいけれど、何から手をつけたら良いのか分からない、独学で合格できるのか不安という方は多いのではないでしょうか。
本記事では、簿記3級 勉強の仕方を初めて学ぶ方にも分かりやすく、合格までのステップを順番に解説します。合格率や試験範囲、必要な勉強時間の目安から、テキストや問題集の選び方、効率の良い学習方法、短期間で結果を出すための勉強計画まで具体的にご紹介します。
独学での合格を目指す社会人の方や、学生の方にも取り入れやすい方法を中心にまとめました。初めて簿記に挑戦する方が、自信をもって学習を進められるよう、基礎固めから試験直前の総仕上げまで丁寧に解説していきます。
初めての簿記3級|試験範囲・合格率・必要な学習時間を解説
簿記3級は、会計の基本である「帳簿のつけ方」や「取引の記録方法」を学ぶための入門資格です。商業簿記の基礎を理解できているかどうかを問うもので、経理・会計・金融業界だけでなく、あらゆる取り引きに関わる人に役立ちます。
試験形式は大問3問で構成されます。
第1問:仕訳問題(15問、配点45点)
第2問:補助簿や勘定記入(2問、配点20点)
第3問:決算整理を含む精算表・財務諸表作成(1問、配点35点)
合格するには100点満点中70点以上が必要です。
近年の合格率は30〜50%で推移しており、決して難易度が高い試験ではありませんが、計画的な学習が求められます。
学習時間の目安
簿記初心者であれば、独学で100時間程度の学習が標準です。社会人の場合は1日1時間の勉強で3か月程度、学生であれば1日2〜3時間を確保できるなら2か月ほどで合格圏に到達できます。
独学で進める簿記3級合格までの5ステップ
簿記学習を始める前に知っておきたい全体像と目標の立て方
最初に「どのような内容が出る試験か」を把握することが大切です。簿記の試験は、勉強の順序を間違えると理解しにくくなります。試験日までの残り時間を逆算して「何をいつまでに終わらせるか」を決めましょう。
目標設定の例
試験日:3か月後
1〜4週目:テキスト学習と仕訳の基礎
5〜8週目:問題集と過去問演習
9〜12週目:模試・総復習
目的意識を持つと、学習の継続がぐっと楽になります。例えば「転職のため」「経理職に活かすため」「会社の決算書を読めるようになりたい」など具体的な目標を設定すると、集中力が続きやすくなります。
初心者に合う簿記教材・問題集の選び方
簿記3級はテキスト1冊と問題集1冊があれば独学で十分合格可能です。重要なのは、自分に合ったレベルの教材を選ぶことです。
教材選びのポイント
最新版(受験年度に対応)であること
図や例が多く、初学者にやさしい解説があること
問題集は過去問と予想問題が多く収録されていること
紙のテキストと問題集を基本にし、スマホアプリやWeb講座を補助的に使うのが効率的です。
アプリやWeb教材の活用例
仕訳練習アプリ:短い時間で集中的に反復できる
Web問題集:自動採点機能で苦手分野を把握
動画講座:通勤中や隙間時間に視聴して理解を深める
簿記試験の要!仕訳を得点源にする練習方法
簿記3級の合否を分けるのは仕訳問題です。第1問だけで45点あり、ここで得点を稼げば合格に大きく近づきます。
仕訳学習のコツ
毎日少しずつでも繰り返し解く
出題頻度の高い取引パターン(現金、売上、仕入、預金、給与、固定資産など)を最初にマスター
仕訳帳の形式で書く練習を行い、正確さとスピードを意識する
最低でも300問程度の仕訳練習を繰り返すと、パターン認識ができるようになります。
簿記3級の力を伸ばす過去問・問題集活用法
簿記学習で陥りやすい失敗は「インプットだけで終わってしまうこと」です。テキストを読むだけでは、試験の実践力は身につきません。
アウトプット重視のポイント
まずは問題集の章末問題を何度も解く
過去問を3回以上繰り返し解き、正解できるまでやり直す
間違えた問題は「なぜ間違えたか」を必ず確認して原因をメモする
第2問の勘定記入や第3問の精算表問題は、1回通してやってみるだけでは定着しません。複数回繰り返すことで初めて身につきます。
簿記試験本番に強くなる模擬試験の取り組み方
試験直前の1〜2週間は、模擬試験を繰り返すことが最大のポイントです。
模試を解くときの注意点
実際の試験時間(60分)で時間を計りながら解く
本番の順番通りに解き、解く順序を体に覚えさせる
終わったら必ず採点・復習をして弱点を直す
時間配分の練習をしておくことで、本番で焦らずに済みます。
簿記3級学習を効率化する教材・アプリ・通信講座の使い方
市販テキスト
独学派におすすめのスタンダードは、テキストと問題集を組み合わせる方法です。特に初心者には、図解が多くやさしい語り口のものが人気です。
アプリやWeb講座
アプリでの学習は、通勤電車やスキマ時間の有効活用に最適です。動画講座も併用すれば、理解があいまいな分野を短時間で克服できます。
通信講座
自分で計画を立てるのが苦手な人は、通信講座の利用を検討しても良いでしょう。講師からの添削や質問サポートがあるため、途中で挫折しにくいのが利点です。
簿記3級の勉強スケジュール例|1か月・2か月・3か月での進め方
3か月計画(初心者向け)
* 1か月目:テキストを一通り読む+仕訳練習
* 2か月目:問題集と過去問を中心に
* 3か月目:過去問+模擬試験で総仕上げ
2か月計画(やや短期)
1日1.5時間程度の勉強を毎日続けることで、2か月でも合格可能です。
初月で基礎、2か月目で過去問と模擬試験を徹底します。
1か月集中型
短期集中の場合、毎日3〜4時間以上の学習時間を確保する必要があります。簿記経験者や他の会計知識がある人向けです。
簿記学習を続けるコツとモチベーション維持法
毎日勉強する時間を固定して習慣化する
苦手分野をノートにまとめて、繰り返し復習する
模試で得点が上がるたびに達成感を味わい、モチベーションを保つ
目的意識(資格を取った後のイメージ)を明確に持つ
簿記3級試験直前に必ず押さえておきたいポイント
* 過去問を最低3回解き直す
* 頻出仕訳パターンをまとめておく
* 試験当日は落ち着いて取り組むために開始30分前には会場入り
簿記3級合格に近づく効率的な学習法まとめ
簿記3級は正しい方法で学べば、独学でも合格可能な資格です。特に大切なのは、基礎知識のインプットだけでなく、問題演習と模擬試験を通して「本番で解く力」を身につけることです。計画を立て、毎日少しずつでも継続して学習を進めていきましょう。
合格すれば、会計・経理の基礎知識が身につき、仕事や転職の強い味方になります。あなたの学習計画が成功することを応援しています。
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