公費で支出する交際費、飲食費、食糧費、香典などの支出基準と判決

国立競技場 基礎知識
国立競技場

この記事を読むのに必要な時間は約 19 分です。

 

官公庁関係の交際費や慶弔費について調べた結果です。

 

監査委員が交際費の一部を不当な公金支出と判断

 

2010年2月3日朝日新聞の記事から抜粋

 

南阿蘇村監査委員

村長と前村長が支出した交際費の一部を不当な公金支出と判断し、地方自治法に基づき計4万円の返還を勧告。

 

前村長が日赤県支部事務局長の父母の死去の際に支出した生花料2件計3万円は、村長交際費支出基準の範囲内だが、社会通念上、一考を要する面もあるとのことです。

 

同年9月、村長が警察署長の異動に伴う餞別(せんべつ)として支出した1万円は、「一般的な社会通念で官官間の金銭の授受は不適切というのが常識」という判断です。

 

東京地裁判決、銀座の高級飲食店の一部支出などが違法

 

東京都知事の支出78件(総額1194万円)について返還を求めた訴訟

東京地裁判決は「支出の経緯、出席者、費用の合計額など」に照らし、都の広報番組担当の民放プロデューサーを銀座の高級飲食店に招いた約6万円分の支出など、2件約40万円分を違法と判断。約6万円分については二審・東京高裁も違法とし、確定しました。

 

2009年5月21日朝日新聞から

都知事の交際費支出をめぐり、私的な飲食に用いられたとして、78件分で支出された総額約1194万円のうち、1件のみについて違法と認め、知事らに約6万円を返還させるよう都に命じた二審・東京高裁判決が確定しました。

 

この訴訟では一審・東京地裁が2件、約40万円の返還を求めるよう命じました。しかし、このうち築地の料亭で開かれた「航空関係者」との会合で支出された約34万円について、二審判決は「相当高額であることは否定できないが、社会通念を逸脱するほどとは認められない」とし、銀座の高級飲食店にテレビ番組のプロデューサーを招いて支出された約6万円のみを違法としました。

 

東京高裁、一人当たり42,500円は社会通念の範囲内

 

2007年東京高裁の判決から類推すると、次のように考えられます。

 

知事と「航空関係者」の計8人が03年5月に料亭でもった会合で、約34万円を支出した。高裁は「相当高額であることは否定できないが、出席者の地位などに照らすと、社会通念を逸脱するほどとまでは認められない」としているので、一人当たり42,500円は社会通念の範囲内とも受け取れます。

 

都側が参加者の氏名や役職を明らかにしていないことについても、高裁は「直ちに違法であるとまではいえない」としています。

 

新潟地裁、歳暮や記念品代とも社会通念上、儀礼の範囲

 

2005年04月26日朝日新聞から部分的に抜粋

 

「儀礼の範囲」原告請求を棄却 旧亀田町交際費訴訟

 

近隣首長らへの歳暮と職員退職記念品代に公金を使ったのは違法だとして、旧亀田町の元町議が町長(当時)に約6万5千円の返還を求めた訴訟

 

新潟地裁の裁判長は「社会通念上、儀礼の範囲だった」として原告の請求を棄却

 

亀田町は03年12月、県知事と県議、近隣の4市町長の歳暮として清酒などを約4万円で購入し贈りました。

 

町長に代わった04年2月には助役、収入役の退職記念品として2万5千円を現金で贈りました。

 

元町議は「支出は交際費の目的に反している」と主張しましたが、裁判長は「歳暮、記念品とも行政運営を円滑にする目的で、社会一般で認められている」との判断でした。

 

監査委員、飲食費1人5千円は社会通念上、不当ではない

 

2003年10月08日朝日新聞から部分抜粋

飲食に公金支出「違法性はない」 監査委員

対馬・厳原町で02年度の交際費から支払われた飲食費が公金の不当支出に当たるとして、同町の男性が町長に飲食費の全額返還を求めるなどした監査請求に対し、町監査委員は「違法性・不当性があるとは認められない」との監査結果を公表しています。

 

飲食費6万5千円(1人5千円)は「社会通念上、不当な経費の支出には当たらない」と指摘しています。

 

地方自治体の香典

 

2003年05月24日朝日新聞から部分抜粋

 

総務相の父母が亡くなられた時の、地方自治体の香典に関する記事が記載されていました。

 

総務相の父母が昨年相次いで亡くなられたときの、全国の都道府県の対応一覧です。

 

支出金額では、7万1832円を支出した沖縄県、次いで京都府の4万4960円

■総務相の父母死亡の際の都道府県と全国知事会の支出(単位・円)

自治体    母         父

北海道 香典2万、弔電  香典2万、弔電
茨城県 弔電       供花2万1千、弔電
栃木県 弔電       供花1万6800、弔電
群馬県 弔電       供花1万5750、弔電
山梨県 弔電       供花2万1千、弔電
愛知県 弔電       香典2万、弔電
三重県 弔電       香典2万、弔電
滋賀県 弔電       供花1万7325、弔電
京都府 供花2万1420、弔電  供花2万1420、弔電
兵庫県 供花1万5750、弔電  供花1万5750、弔電
奈良県 供花2万、弔電  供花2万1千、弔電
鳥取県 弔電       供花1万6275、弔電
島根県 弔慰金3万、弔電 弔電
岡山県 供花2万、弔電  供花2万、弔電
香川県 香典1万、弔電  香典1万、供花2万1千、弔電
福岡県 弔電       供花2万1千、弔電
熊本県 弔電       供花2万1千、弔電
大分県 弔電       香典3万、弔電
宮崎県 弔電       香典2万、弔電
沖縄県 供花1万8900、弔電  香典3万、供花1万8900、弔電
知事会 香典3万、供花1万5千、弔電 香典3万、弔電

 

東京都など18都府県は、支出を弔電だけにとどめました。

 

香典は交際費として、弔電は役務費などとして支出しました。

 

香典等取扱要領に従って支出、折衝や交渉の場で世話になる国の関係者なら、支出もあり得るとのことです。

 

公費からの香典支出の例

 

2002年10月23日朝日新聞から部分抜粋

 

県職員本人や配偶者らが亡くなった際、県が交際費からの香典支出を認めていることが22日、分かった。

 

交際費からの職員への香典支出については、国税当局が「業務と関連がない」と判断した例もあり、総務省が現在、支出基準の見直しを検討しているとのことです。

 

県は98年度、交際費の執行基準を初めて設けた、職員本人が亡くなった場合、知事名で1万5千円を上限とした花輪または生花ほか、所属課長名での香典1万円を支出。

 

職員の配偶者もしくは1親等の親族が亡くなった場合は、同じく知事名の花輪または生花と、所属課長名での香典5千円を支出。

 

退職した職員や県選出国会議員には部局長名での弔電のみだが、県議や県内の市町村長については、本人の場合1万円、配偶者もしくは1親等の場合5千円の香典を支出。

 

市民オンブズマン代表、香典はポケットマネーから出すべき

 

大阪国税局が今年初め、大阪市所管の5団体への税務調査で、幹部が交際費から職員などに出していた香典について、「業務との関連が明確でない」と支出分は給与に当たると指摘したり、追徴課税したりしたことから、総務省が現在、支出基準の見直しを検討

 

市民オンブズマン代表の弁護士は「業務との関連は全くないと言っていい。香典を出す、出さないというのは基本的にプライベートな話で、ポケットマネーから出すべきだ」と指摘

 

職員へ香典即日廃止

 

2002年10月18日朝日新聞からの部分抜粋

大阪市、交際費を1/4~1/5に 職員へ香典即日廃止

大阪市は17日、来年度から市長、助役、収入役をはじめ、部長級以上の職員に割り当てていた交際費をすべて廃止、職員やOBへの香典、お祝いを交際費から支出することは同日から中止し、関係団体にも同様の取り扱いを指導

 

市はこれまで、交際費として1人当たり月額90万~4万円を役職に応じて割り当てており、今年度の一般会計予算では約200人分、計1億3千万円余りを計上

 

市長室長は「交際費のあり方は社会通念や社会情勢の変化によって柔軟に対応すべきで今日的視点に立てば当然見直すべきだ」と説明

 

2002年09月25日朝日新聞から

渋谷区長が交際費を区議の野球大会などに支出した住民訴訟の控訴審で、東京高裁は24日、区長らに返還を命じた一審・東京地裁判決を取り消し、「支出は適法だった」との逆転判決を言い渡した。

 

裁判長は「信頼・友好関係の維持増進を目的として、区長が社会通念上相当な範囲の儀礼を尽くしたもので、違法ではない」と述べました。

 

97年5月にあった区議野球大会運営費3万円と、同年11月の野球部納会に区長らの出席費として支払われた3万円の計6万円

 

東京高裁、実態は親睦旅行で交際費の支出は社会通念を逸脱し違法

 

2002年09月12日朝日新聞から

区長交際費から職員の親睦(しんぼく)旅行費用を支出したのは違法だとして、区民が渋谷区長らに返還を求めた住民訴訟の控訴審判決が11日、東京高裁であった。

 

渋谷区長は、97年12月、箱根湯本で開かれた同区の係長クラスの旅行に参加する費用に、助役、収入役、教育長の分と合わせ10万円を交際費から支出した。区長側は「区政を適切に運営するための支出で、親睦(しんぼく)ではない」と主張したが、判決は「会合の実態は親睦旅行で、交際費の支出としては社会通念を逸脱する違法なものだ」とした。

 

福岡地裁、食糧費の支出は一人当たり五千円を超える場合は裁量権の乱用

 

2001年03月22日朝日新聞から

 

北九州市の職員が一九九五年度に使った食糧費二百二十九件は一人当たり六千円を超えて違法だとして、同市の非営利組織(NPO)「市民オンブズマン北九州」が末吉興一市長や市幹部ら七十一人を相手に総額約二千五百万円を市に返すように求めた住民訴訟の判決が二十二日、福岡地裁であった。

 

古賀寛裁判長は「食糧費の支出は一人当たり五千円を超える場合は原則として支出権者の裁量権の乱用となる」として全件の五千円を超えた分を違法と認め、支出権者の末吉市長と局長級職員、会合参加者に連帯して千三百三十九万円を支払うよう命じた。

 

判決は食糧費について「対外的折衝のために使う交際費と違い、本来は会議用、接待用の茶菓子や弁当が対象。内容が節度を失い、社会通念上儀礼の範囲を逸脱した場合は許されない」とした。

 

「一人あたり五千円」の基準について判決は、国家公務員倫理法が五千円を超える贈与を受けた国家公務員に報告義務を課していると指摘。「公務員への贈与が五千円を超えるような場合には、国民の公務に対する信頼への疑義が生じかねない」として、一人当たりの費用が五千円を超える場合は原則として支出権者の裁量権の乱用となるとの判断を示した。

 

専決処分をした局長級職員らには「重過失がある」とし、実際に会合に出席した職員には不当利得を返還する義務があるとした。

 

裁判所が食糧費の支出に基準を示した例としては、大阪高裁判決(九六年十一月)の官官接待の場合の六千円、神戸地裁判決(二〇〇〇年六月)の食糧費の四千円などがある。

 

1999年03月20日朝日新聞から

松本市の市長が母校の同窓会の懇親会費を公費から支払ったのは違法だとして、松本市政を考える会が有賀市長に二万円の返還を求めた訴訟の判決が十九日、長野地裁で言い渡され、裁判長は「社会通念上相当と認められる範囲を超えたとは言えない」として、原告の請求を棄却した。

 

判決によると、市長は一九九七年七月、母校の松本県ケ丘高校の同窓会あがた会と県陵同窓会の懇親会にそれぞれ出席し、会費として一万円ずつ市長交際費から支払った。

 

判決は、有賀市長が会合で市政の現状などを説明したことなどから公務として出席したと認定。職務に関して通常の交際をすることや、そのために公金を支出することは許されるとし、支出された金額についても相応だったと判断した。

 

1999年01月21日朝日新聞から

十日、宇都宮地裁で言い渡された県東京事務所の食糧費に関する判決は、県の食糧費の使い方は「違法とまでは言えない」とするもの

 

オンブズ側が訴えたのは、「食糧費の使い方には限度がある」ということだった。本来、食糧費は会議用や接待用の弁当や茶菓子代、非常用炊き出しの賄いなどにあてられるもので、接待をする交際費とは異なる。

 

このため、飲食に流用される場合は「食糧費としての節度と社会通念上儀礼の範囲を逸脱したもの」は違法とされている。大阪高裁は九六年十一月の判決で「相手が具体的に明らかにできなければ、接待は一人六千円」、大津地裁は昨年九月の判決で「一次会で(官民接待で)一人八千円」という上限を設定。行政側が食糧費を都合良く接待費に利用することに一定の枠をはめていた。

 

1991年07月11日朝日新聞から

タレントのせんだみつおさんが「笑っていいとも」にゲスト出演した際、祝いとして区長交際費から支払った花輪代は違法か

 

ゲスト出演した際、祝いとして花輪を贈り、当時の総務課長が代金1万2000円を区長交際費から支払った。花輪はスタジオ内に置かれた。

東京地裁の裁判長は11日午前、「花輪の贈呈は日ごろの区政運営への協力に対するお礼の意味もあり、社会通念の範囲内」などとして、請求を棄却した。

 

東京高裁、接待行政は許される範囲内

 

1988年11月25日朝日新聞から

千葉県市川市の市長らが補助金獲得のため、県幹部を接待したことで、同市住民が、「宴会費用を公費から払ったのは違法だ」として、高橋国雄市長に対し、約33万円を市に返還するよう求めた「接待行政」住民訴訟の差し戻し後の上告審判決が25日午前、最高裁第2小法廷で言い渡された。

 

裁判長は、「社会通念上、相当な範囲にとどまるもので、交際費を支出したことは違法とはいえない」として、住民の訴えを退けた差し戻し後の東京高裁判決を支持、住民側の上告を棄却した。

 

問題となった接待は、市川市が55年に郷土資料館や総合福祉センター建設など総額約25億円の事業を計画した際、県から補助金を引き出し、起債の許可を受けようとして行われた。

 

市側は同年11月、県出納長や総務部長ら幹部を地元に招き、実地調査に基づく説明会などを終えた後、料亭で接待したほか、同年12月にもホテルで接待した。

 

いずれも市側8人、県側4人が出席し、料亭では飲食代や土産品・車代など計21万9970円、ホテルでは飲食代、たばこ代など計16万4806円をかけ、全額、市長交際費から支払われた。

 

住民側は、「1人当たり1万8000円もかかった料亭などでの会合は、社会通念で許される『夕食』の範囲を超えた違法な支出だ」と主張。

 

1審の千葉地裁は58年2月、「市の事業の円滑化を図るための接待で、社会通念上、妥当な範囲内」と請求を棄却。

 

2審の東京高裁は同年8月、「こうした自治体内部の問題については住民訴訟を起こせない」と訴えを門前払いしたが、最高裁は61年2月、「住民訴訟の形で請求できる」と2審判決を破棄、審理のやり直しを命じた。

 

差し戻し後の控訴審で東京高裁は昨年6月、「当時、市では事業を進めるため県の当局者と意見調整をする必要があった。接待は目的、出席者の顔ぶれ、会場、経費などから見て、許される範囲内だった」として原告の訴えを退けていた。

 

原告の1人、独協大教授の話 私どもが問題としたのは、金額の多少ではなく、接待という手段を通して補助金を獲得するという行政のあり方だった。自治体関係者が、今回の判決について、「接待行政も、ある程度までなら許される」と受け取るとすれば、遺憾だ。

 

その他参考

 

会議費(弁当やお茶などの食事の経費)

租税特別措置法で、社会通念上、ひとり当たり5千円以内程度であれば損金扱い

 

交際費(接待費でアルコールを伴うもの)

経費扱いにならず、全額が税金の課税対象
実際は、おおむね5千円以内なら損金対象

 

まとめ

 

会議費や交際費の支出基準については、上記のように、その内容によって判決は様々です。

 

ただ、大切なことは、税金を使用するときには、疑惑を持たれないように支出するということです。飲食費というのは本来自己負担が原則です。

コメント