デジタル庁は簡単でわかりやすい?デジタル化が遅れてきた経緯と理由

スポンサーリンク
その他
2005年 グアム
その他

デジタル庁についての解説です。2020年9月にデジタル改革担当相がデジタル庁の創設について検討を始めました。しかし、すでに25年以上前から行政の情報化が推進されてきました。官公庁でデジタル化が進まない原因があったのです。

スポンサーリンク

今さらデジタル庁?

 

2020年8月28日、安倍首相が病気のために辞任を表明しました。そして2020年9月14日、菅官房長官が新しい自民党総裁に選出され、菅内閣が誕生しました。

 

新型コロナウイルスの感染が収まらず、飲食店などでは客足が減少し、廃業や倒産、解雇が増えています。新型コロナウイルスの終息と、経済再生が最優先としつつ、縦割り行政の打破、デジタル化の推進が掲げられました。

 

新しく設置されたデジタル改革相は、早速、2022年4月までにデジタル庁を創設すると表明しました。

 

コンピューターシステムを使い、国民にとって使いやすい行政手続きにするための目玉政策です。新型コロナウイルスの感染拡大対策の中で、さまざまなデジタル化の遅れが問題になったことも要因になっています。

 

感染情報の集約では、いくつかの保健所で FAX を使っていました。メールさえも利用できないのです。多くの人は、いつの時代の話?と思ったでしょう。

 

また 3 密(密閉・密集・密接)を防ぐために、テレワークが推奨されていますが、紙ベースの決裁が必要なためテレワークが進まないなどの問題も見えてきました。

スポンサーリンク

行政のデジタル化が進まない原因とは

 

行政のデジタル化が進めば、国民にとって便利になるのは間違いありません。

 

しかし注意したいポイントがあります。

 

実は、すでに1994(平成6)年に行政情報化推進基本計画が閣議決定され、デジタル化が進められてきた経緯があります。なんと25年も前から電子政府の実現を目標にしていたのです。しかし実際には、十分なデジタル化が実現できていません。

 

部分的にはコンピューターシステムが整備され効率効になった行政手続きもあります。しかし、ほとんどのシステムは部分的に開発されており、官公庁の間で共有されることもなく連携できません。これらの既存システムをどうするかが大きなポイントになります。

 

またコンピューターシステムを運用するには、コンピューターに関するマニアックな知識のある人材が必須です。2020年現在は、オペレーティングシステムが高機能になったため、さまざまな開発言語が理解できプログラムが読める能力が求められています。25年前なら、C言語さえ理解できればほとんどのプログラムが読めましたが、今は複雑になりすぎて無理です。昔、私はC言語で自作プログラムを20本くらい作成し公開してました。市販されているすべてのコンピュータ雑誌に私のプログラムが掲載されていたこともありました。当時はプログラミングが簡単な時代だったのです。多少のプログラミング経験があったとしても現在のシステムは複雑すぎて理解できないでしょう。

 

また今までの行政システムは、現場からの要望というよりも、政府の政策として進められてきました。とりあえずシステム化しなくてはいけないという現場を無視した発想でシステムが開発されてきたのです。そのため現場を知らない人たちがプログラミングしてしまい、不必要な内容が多く盛り込まれました。本当に必要な部分がシステム化されていないのです。電子入札など、システム化してはいけない業務までシステム化してしまいました。現場が必要性を感じないシステムなので、現場のスキルも上がらないわけです。結果的に多くの人がシステム化に興味を持たなくなったのです。

 

つまり、デジタル化の必要性が感じられないため、職員のスキルが上がらずに遅れてきたのです。

 

どれほど良いシステムが完成しても、使う人がいなければ、全く役に立たないわけです。

 

使う人が必要性を感じて、使いやすいシステムを作らなければ、誰も使わなくなるということです。

 

システムを構築する前に、コンピュータ技術を理解できる職員の採用と育成が必須です。そして行政を熟知した実務経験者の意見に基づいてシステム化を検討する必要があります。実務経験のない人たちが作ったシステムは誰も使いません。

 

政府の方針だからと、コンピューターの必要性を感じない人たちに対して、デジタル化を推進せよといってもナンセンスです。誰も積極的に取り組まないでしょう。マニュアルを覚えたり余計な仕事が増え面倒になるだけです。

既存システムをどうするのか

 

コンピューター技術を理解した職員と、豊富な実務経験者の両者で企画

この二つが重要な鍵になります。

スポンサーリンク

情報が多すぎると伝わらない

 

また次の視点も大切です。

 

新型コロナウイルス感染対策についての、各省庁のサイトを見れば明らかです。

 

情報が氾濫しすぎて、何を見れば良いのか、どこを見れば良いのか、全くわからない状況です。情報が多すぎて伝わらないのです。

 

新型コロナウイルス感染症関連 (METI/経済産業省)

 

新型コロナウイルス感染症について

 

必要な情報を見たいときに、各省庁のサイトなのか、都道府県のサイトなのか、自分が住んでいる市区町村のサイトなのか複雑すぎてわかりません。

 

また該当するサイトにたどり着いたとしても、項目数が多くてどの情報を見れば良いのかわかりません。

 

これらの複雑すぎる情報の原因は、現場を知らない上層部が、現場に対して命令していることが原因です。特に官公庁では、キャリアと呼ばれる高級官僚の人たちが、自分の実績作りのためだけに次から次へと現場に指示します。現場が混乱し意味不明になる大きな原因です。

 

実務を経験していない人たちが、実務を担当する現場に対して命令しているのです。そのため現場は混乱し、情報が錯綜し、わけのわからない状況になってしまうのです。

 

行政が十分に機能しない原因は、そのほとんどが実務経験のない、現場を知らない上層部からの指示によるものです。

 

国民の気持ちが理解できる現場の実務経験者の意見こそが最も重要です。不要なシステムを廃止し、シンプルでわかりやすいデジタル化が望まれます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました